2019年の天皇の代替わりに伴う「即位の礼」や皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」などの宗教儀式に国が公費を支出するのは、憲法が定める政教分離の原則に反するとして、昨年12月10日、牧師や僧侶を含む市民団体「即位・大嘗祭違憲訴訟の会」のメンバーら241人が国を相手取り、支出の差し止めと1人あたり1万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(朝倉佳秀裁判長)は一度も弁論を開かないまま、支出差し止めの訴えを却下する判決を5日付で出した。一方、損害賠償を求める訴訟の審理は続き、25日に第1回口頭弁論が開かれる。
原告側は、「国民が納税者としての権利に基づいて支出の差し止めを求められる」と主張したが、朝倉裁判長は、「憲法がそうした権利を保障しているとはいえない」として退け、訴え自体が不適法と判断した。原告側は控訴する方針。原告には日本基督教団牧師の堀江有里氏も加わっている。