キリスト教への迫害は、世界で最も人口の多い国である中国とインドで悪化し、何百万人ものクリスチャンが信仰の危険にさらされている。
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迫害されるクリスチャンを支援する宣教団体オープン・ドアーズは、クリスチャンになることが最も難しい50カ国の年間ランキングを発表した。アジアの二つの国が順位を上げており、まずインドは、ヒンドゥー教による国民主義的な迫害によって反キリスト教的感情が盛り上がったため、ワールド・ウォッチ・リストのトップ10に入った。一方、中国は、共産党政府が主要なキリスト教会の集会を閉鎖し、クリスチャン指導者らを拘束し続けており、リストの43位から27位に順位を上げた。
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キリスト教迫害レベル
極端に高い(100−81)
1、北朝鮮
2、アフガニスタン
3、ソマリア
4、リビア
5、パキスタン
6、スーダン
7、エリトリア
8、イエメン
9、イラン
10、インド
11、シリア
非常に高い(80−61)
12、ナイジェリア
13、イラク
14、モルジブ
15、サウジアラビア
16、エジプト
17、ウズベキスタン
18、ミャンマー
19、ラオス
20、ベトナム
21、中央アフリカ共和国
22、アルジェリア
23、トルクメニスタン
24、マリ
25、モーリタニア
26、トルコ
27、中国
28、エチオピア
29、タジキスタン
30、インドネシア
31、ジョルダン
32、ネパール
33、ブータン
34、カザフスタン
35、モロッコ
36、ブルネイ
37、チュニジア
38、カタール
39、メキシコ
40、ケニア
高い(60−57・5)
41、ロシア連邦
42、マレーシア
43、クエート
44、オマーン
45、アラブ首長国連邦
46、スリランカ
47、コロンビア
48、バングラデシュ
49、パレスチナ領土
50、アゼルバイジャン
今、アジア人クリスチャン3人のうち1人が高いレベルの迫害を経験していると調査員は推定する。
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オープン・ドアーズは毎年、世界中のクリスチャンにとっての信教の自由の衰退について報告してきた。政府による制限、社会的圧力、そして徹底的な暴力による迫害を精査している。
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「西アフリカのナイジェリア北部と中部地帯では、少なくとも3700人のクリスチャンが信仰のために殺害された。昨年(推定2000人)と比べると約2倍だ。武装した襲撃者によって村から強制的に追い出され、村を占拠された」とワールド・ウォッチ・リストのモニターは述べる。またニュース・サービスによると、リストが報告しているクリスチャン4136人の殺害のうち、ナイジェリアだけで約90%を占めている(3731人)。
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調査員によると、今日、6人に1人のアフリカ系クリスチャンが高いレベルの信仰的迫害を経験している。
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2019年 ワールド・ウォッチ・リスト トップ10
1、北朝鮮
2、アフガニスタン
3、ソマリア
4、リビア
5、パキスタン
6、スーダン
7、エリトリア
8、イエメン
9、イラン
10、インド
最新のワールド・ウォッチ・リストによると、信仰の制限がより広範囲になり、世界中のクリスチャンの9人に1人がその影響下にあるという。今年のランキングでは、50カ国で推定2億4500万人(昨年は2億1500万人)のクリスチャンが高いレベルの迫害を経験している。
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現在、「高い」から「非常に高い」レベルの迫害を受けているのは、オープン・ドアーズによってモニターされている150カ国のうち73カ国。昨年は58カ国だった。2019年は、クリスチャンの迫害レベルで「極端に高い」カテゴリーに入るのが11カ国と推定されている。ワールド・ウォッチのモニターは次のように述べた。「昨年も同じ結果だったが、5年前、そのカテゴリーに属していたのは北朝鮮だけだった」
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こうした傾向は、世界的な宗教的敵意の高まりに関する2018年のピュー研究所の報告とも一致している。宗教が規制され、危険水準が「高い」か「非常に高い」地域では、人口の83%が危険にさらされているという。中でも中国とインドが世界最大だ。こうした規制の悪化は、10年以上続く宗教的敵意の中で最も大きい波が押し寄せていることを意味する。
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ワールド・ウォッチ・リストの第1位は、キリスト教が禁止されている北朝鮮で、18年連続で首位のままだ。北朝鮮とインド以外でトップ10入りしている国は、中央アジアのアフガニスタンやパキスタンやイラン、東アフリカのソマリア、北アフリカのリビア、北東アフリカのスーダンと東隣のエリトリア、アラビア半島南部のイエメン。それぞれキリスト教が少数で、イスラム教が多数の国々だ。
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中国はまだ、オープン・ドアーズの迫害国リストに入っていないにもかかわらず、キリスト教を再形成して「教会を中国風にする」という中国政府の素早い行動は、世界で最も大きな迫害にさらされている教会にとっては大きな脅威だ。
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「我々は中国とインドを注意深く見守っている」とオープン・ドアーズUSA社長のデビット・カリー氏は述べる。
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「政府によって信教の自由が圧迫される環境に暮らす何十億もの人々の憂慮すべき状況は、何百万人ものクリスチャンが日々、攻撃や投獄、殺害されていることから分かるでしょう」(後編を読む)