ルーテル学院大学・大学院が学生募集停止 日本ルーテル神学校は存続

ルーテル学院大学 – ルーテル学院大学, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=23263740による

学校法人ルーテル学院(大柴譲治理事長)、ルーテル学院大学(石居基夫学長)は3月25日、2025年度からルーテル学院大学・大学院の学生募集を停止することを3月21日の理事会で決定したと公式サイトで明らかにした。

それによると1909年、牧師を養成するための日本路帖神学校として開学した同学院は、64年に大学認可を受け、69年に現在の三鷹に移転。「キリストの心を心とする」という建学の精神に基づき、少人数教育と実習教育を特徴とする「神と世に仕える」人材育成に貢献してきた。

この間、2022年度から連続して入学定員を大きく割る事態に至り、「教育体制を見直し、これまで以上に学生募集に力を入れ、経営的努力も重ね」「現在の教育体制を維持することを長期的な視点で検討・分析を重ねて」きたが、「今後長期的に経営を継続することが困難と判断せざるを得ず」、「苦渋の決断」をするに至ったという。

今後、すべての在学生が卒業した後も、学校法人ルーテル学院として存続し、教育と研究を続けていくとしている。

告知の全文は以下の通り。


大学関係者 各位

日頃より、学校法人ルーテル学院の教育・研究にご理解とご協力をいただいておりますこと、心から感謝申し上げます。

このたび学校法人ルーテル学院は、2025年度よりルーテル学院大学・大学院の学生募集を停止することを2024年3月21日開催の理事会において決定いたしましたので、ご報告申し上げます。

本学は、1909年に九州熊本で、牧師を養成するための日本路帖神学校として開学し、のちに東京中野に拠点を移し、1964年には大学認可を受け、1969年に現在の三鷹に移転しました。キリスト教的人間理解に立った対人援助の担い手を育てる大きな使命を掲げ、1976年には社会福祉、また1992年より臨床心理の分野における専門教育を実現してまいりました。「キリストの心を心とする」という建学の精神に基づき、少人数教育と実習教育を特徴とし、一人ひとりを大切にする教育によって、神と世に仕える人材を育て、送り出してまいりました。

しかし、近年の少子化傾向等の影響を受け、2022年度より連続して入学定員を大きく割る事態に至りました。このことに対し、教育体制を見直し、これまで以上に学生募集に力を入れ、経営的努力も重ねてまいりました。

また、極小規模の単科大学として、現在の教育体制を維持することを長期的な視点で検討・分析を重ねてまいりましたが、極めて難しいと判断し、更に大学教育存続のためのあらゆる可能性についても調査・検討を行ってまいりました。しかしながら、今後長期的に経営を継続することが困難と判断せざるを得ず、2025年度より学生募集を停止するという苦渋の決断をするに至りました。

今後、大学は2024年度の新入生も含めた全ての在学生が卒業に至るまで、ミッションステートメントに基づいて、学生一人ひとりの学びと学生生活の充実、将来に向けた取り組みに対する教育的使命を全うするべく、教職員一同、最大限の努力をお約束いたします。

全ての学生が卒業した後も、学校法人ルーテル学院は残り、日本ルーテル神学校の教育と研究を続けてまいります。大学の全ての卒業生に対しての成績、卒業など各種証明書の発行などについては、本法人がこれまでと変わらぬ対応を持って責任を果たしてまいります。

何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

(以下略)

2024年3月25日
学校法人ルーテル学院理事長 大柴譲治
ルーテル学院大学学長 石居基夫

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