Ｑ．礼拝はなぜ日曜日に行うのですか？ 「安息日」は土曜日だと聞いたことがあるのですが……。（２０代・男性）
この質問はキリスト教にとって、非常に大切な質問ですね。聖書によれば、創世記２章２、３節に、「第七の日に、神は御自分の仕事を完成され、第七の日に、神は御自分の仕事を離れ、安息なさった。この日に神はすべての創造の仕事を離れ、安息なさったので、第七の日を神は祝福し、聖別された」とあります。ユダヤ教では、この日をほかの日と区別して安息日とし、労働を休み、神の創造、神の民とされていることを覚え、礼拝を守ってきました。
イエス様も弟子たちを連れ、安息日にはユダヤ会堂で礼拝を守っていたことが福音書随所に見受けられます（マタイによる福音書９章３５節、１２章９節、１３章５４節ほか）。それでは日曜日に礼拝を守るようになったのはどうしてなのか、それも聖書に書かれています。安息日（土曜日）の終えた、次の朝、女性の弟子たちが墓に行ってみると墓は空でした（マタイによる福音書２８章、マルコによる福音書１６章、ルカによる福音書２４章、ヨハネによる福音書２０章）。主は安息日の次の日、日曜日に復活されたのです。ヨハネによる福音書２０章によれば、次の日曜日にもトマスに現われたと記されています。日曜日に主は来られ、また次の日曜日にも、そして、日曜日毎に主は来られる。主が来られるこの日曜日を主日とも呼びます。弟子たちの集会は、主は、主日（日曜日）にいつも来られると、日曜日に開かれるようになります。
キリストが十字架の死から復活したことの実証は、一つは弟子たちの目撃証言（主観的）、もう一つは、日曜日毎に礼拝を守り続けているという客観的証言なのです。私たちが日曜日毎に礼拝を守っていることが、十字架にかかられた主は復活したという証しです。み言葉を聴き、聖餐を受けて、主が私たちのために奉仕してくださり、心癒され、力を受けて、派遣されます。キリスト教にとって、日曜日が安息日です。
日曜日に、主は来られる。それゆえ、キリスト教会は日曜日に礼拝を守り、「主が共にいます」という信仰に生きるのです。しかし、一部のプロテスタント教会では安息日を厳守し、土曜礼拝を守っている教派もあります。
ひらおか・まさゆき １９５０年、福岡県生まれ。日本ルーテル神学大学神学部（現ルーテル学院大学）、日本ルーテル神学校卒業。８３年より日本福音ルーテル教会牧師。８５年から統一協会、９４年にはオウム真理教信者の脱会支援に着手するなど、長くカルト問題に取り組み、カウンセリング活動を続けた。共著書に『マインドコントロールからの解放』（三一書房）、『啓示と宗教』（サンパウロ）など。２００９年、５８歳で逝去。
