教会で、豊かな青春時代を 大橋茉莉耶 【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】

教会は、青春時代に最も必要なものは信仰であると信じます。「若き日に、あなたの造り主を心に刻め」(コヘレトの言葉12章1節)と聖書で語られているからです。神学校の恩師曰く、コヘレトの言葉にたびたび出てくる「空(く う)」とは「束の間」という意味なのだそうです。人生そのものが束の間であるとも言えますが、青春時代は特に束の間です。学生たちは、将来に希望を抱く日もあれば、不安を抱く日もあるでしょう。新社会人たちは、自由を手に入れたと思える日もあれば、疲れを覚える日もあるでしょう。人生の途上にある青春時代にこそ「神様に創造され、生かされている」という事実を知ることで、本当の希望を抱き、本当の自由を得られるのです。

青年たちにとって、教会に来れば信仰の仲間がいるということはどれほど励みでありましょう。しかし、地方教会においては青年が1人いれば良い方だというのが現状です。多くの教派で全国規模の青年修養会/ユースミッションが行われ、年に一度は同じ信仰を持った仲間と交わる機会がありますが、コロナ禍中においては中止やリモート開催となって歯がゆい思いをしたものです。実は、このような時にこそ地域教会との連携が重要であったのです。

私たち夫妻は、前任の浜北教会でお仕えした約10年の間あらゆる青年会活動に携わってきましたが、特に(近隣10教会から成る)分区においてはコロナ禍中も対面の青年会を持ち続けました。複数の教会で若き受洗者が起こされ新しい仲間が加わり、マスク越しでも顔を合わせられるだけで嬉しかったのを思い起こします。

1年目は「祈り」を学び、そこで青年たちが綴ってくれた祈りの数々を毎日メール配信しました。コロナ禍で一変してしまった生活の中でこそ、主に礼拝をささげられることのありがたさなど、それぞれに受け取った糧を祈りで分かち合えました。2年目は、青年たちと企画した一大イベントが緊急事態宣言発動によりリモート開催を余儀なくされ、悔しい思いをしました。

そうして迎えた3年目は、いかなる状況にも対応できるよう、第5日曜日を活動日としました。幸いなことに感染状況が落ち着いてきたので、徐々に茶菓や食事を解禁していき、毎回20人以上が集って賑わうようになりました。礼拝では青年や神学生に証しをしてもらい、何度も励まされましたし、音楽の賜物を活かして多様なジャンルで主を賛美しました。公園や美術館へ出かけたり、未来の青年会メンバーである中高生とも交流しました。このようにして束の間の若き日に、励まし合いながら造り主を心に刻み歩む青年たちは、なんと幸いでしょう。

どうか〝イマ〟の青年にも、〝コレカラ〟の青年にも、信仰の仲間が与えられますように。教会同士集まって、さらに素晴らしい出会いが与えられますように。信仰豊かに青春時代を過ごした青年たちが、教会のコレカラを担ってゆけますようにと、茨木の地からお祈りしています。

「私につながっていなさい。私もあなたがたにつながっている」(ヨハネによる福音書15章4節)。

次回は、教会墓地の建築についてお分かちしたいと思います。

大橋茉莉耶
おおはし・まりや
 1989年、東京都で牧師家庭に生まれる。敬和学園高等学校、東京神学大学・大学院終了後、日本基督教団浜北教会に着任し、伝道師を経て牧師となる。2023年度より日本基督教団茨木教会へ転任。2児の母で、趣味は歌うこと。

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