元日本YWCA同盟総幹事の河井道が創設し、キリスト教精神に基づく女子教育において先駆的な役割を果たした恵泉女学園大学(大日向雅美学長)が3月22日、同学園(樋野興夫理事長、廣瀬薫学園長)理事会で2024年度以降の大学・大学院の学生募集停止を決定したことを発表した。
同大学は1988年の開学以来、「神と人とに仕え、自然を慈しみ、世界に心を開き、平和の実現のために貢献できる女性を育成する最高学府」として多数の卒業生を輩出。「聖書」「国際」「園芸」を根本原理として、世界平和に貢献する自立した女性の育成を建学の精神として掲げてきた。
大学の発表によると、18歳人口の減少、共学志向などの変化に伴い、入学者数の定員割れが続き、「大学存続のためにあらゆる可能性を模索し、将来のありかたについて慎重に検討を重ねて」きたが、「閉学を前提とした募集停止という苦渋の決断」に至ったという。
今後は、2023年度で最後となる入学生が卒業するまで、「建学の精神と教育理念を維持し教育に万全を尽く」すとしている。同窓会や、恵泉女学園中学・高等学校は、これまで通りの体制を維持・継続する。
キリスト教学校教育同盟理事長の西原廉太氏(立教大学総長)は自身のフェイスブックで、「ここ数年、『中小規模学校法人連携協力プロジェクト』を開始し、さまざま取り組んでいますが、何とかこうした難局を乗り越えていかなければなりません」と危機感を示し、「今回の決定はもちろん苦渋の末だと思いますが、恵泉が大切にしてこられたキリスト教高等教育の理念を、今後も、全国のキリスト教大学全体で継承していきたい」とコメントしている。