ロシア正教のキリル総主教は10月17日、モスクワの総主教公邸で世界教会協議会(WCC)のイオアン・サウカ総幹事代行(ルーマニア正教会・長司祭)と会見した。宗教専門紙『中外日報』10月28日付の報道から紹介する。
ロシア正教会の公式サイトによれば、この日の会見でキリル総主教は現在の「危機」 は(ウクライナのマイダン革命があった)2014年にさかのぼる問題、と従来の主張を繰り返し「ドンバス地方その他の紛争地域」に特に注意が必要だと強調した。また、同教会が行っている難民の人道支援の認識を求めた。
一方、中央委員会の指示で訪露したサウカ氏はロシア正教会代表団も参加したWCCの「戦争と暴力を非難する声明」に留意を促し、「流血と核の危険を止めるため、私たちが一緒にできることを確認するために来た」と述べた。(「聖戦」をにおわせる言動を踏まえ)戦争に関する総主教の神学的理解の説明も求めた。
公式サイトによれば、キリル総主教は今の困難な状況が政治的文脈から生じており、教会はその火に油を注ぐべきではない、火を消すためできる限りのことをすべきだ、と回答。 WCCの「積極的だが中立」の役割へ期待を表明したという。(CJC)