全国キリスト教学校人権教育研究協議会(連絡先:日本キリスト教協議会=NCC=教育部)は8月16~18日、日本基督教団神戸聖愛教会(神戸市中央区)を会場に第32回全国キリスト教学校人権教育セミナーを開催した。17日の総会では、①「『高等学校等就学支援金』の朝鮮高校への即時支給と『幼保無償化』の朝鮮幼稚園への適用、『3・29通知』の撤回および外国人学校の抜本的な支援策を講ずることを求める要請書」、②声明「道徳教育の『教科化』に対し重ねて反対を表明し、撤回を強く求めます」、③声明「文部科学省は検定制度を見直し、政府の閣議決定に忖度するのを止めてください」、④声明「学校における日の丸・君が代の実施をやめてください」、⑤声明「『本土』復帰50年を迎えて」の五つを採択。このうち、②と③はNCC教育部との連名で発表された。
②では、「特別の教科 道徳」の設定、とりわけ検定教科書の使用は、国家が教育の内的な価値に介入して統制し、特定の価値を一方的に教え込むことであり、憲法が規定する「思想・良心の自由」(19条)、「学問の自由」(23条)を侵すものだと主張。また道徳における評価は、子どもの内心や人格に対する不当な干渉であり、決してあってはならないものだと訴えた。
③では、中学校の社会(歴史的分野)、高等学校 の地理・歴史および公民の教科書の記述内容に対する政治的な介入を認めないよう要請。戦争と植民地支配によって多大な苦しみを負った近隣諸国に配慮して、過去の歴史を正しく学び理解することは必須であり急務であるとして、中高生が正しい歴史認識をもてるような社会科教育を目指すよう求めた。