Q.教会に初めて行きたいと話す友人に、自分の通う教会を勧めるべきでしょうか? 初心者向けの教会というのはありますか?(40代・女性)
「彼らは教会であなたの愛を証ししました。どうか、神に喜ばれるように、彼らを送り出してください」(ヨハネの手紙三1章6節)。この聖書は「教会での証し」という言葉が使われている唯一の箇所です。
あなたがクリスチャンであることを友人が知って、教会へ行ってみたいと思ったのは、あなたの教会生活を通してのすばらしい神さまの導きです。そういう意味で、「教会での証し」と言っても良いと思います。あなたの信仰と教会生活を通して、友人に教会へ行ってみたいという心を起こしたのですから、ほかの教会でなく自分の通っている教会へお連れするのがもっともよいことです。
信仰について教会生活について、何でもわからないことはあなたに聞けますし、牧師さんとも相談して導きをいただくことができます。「初心者向けの教会」は、友人にとってはあなたの教会以外にはありません。
私も高校生の時、クラス替えがあっても3年間同じクラスメイトだった友人がクリスチャンであったことが教会へ行く動機となりました。その友人へ「(友人の通う)教会へ一度連れて行ってくれ」と頼んで、一緒に行きました。友人が牧師さんに紹介してくれたので、何の不安もなく教会生活を始めることができました。
やがて私にも「教会へ連れて行ってくれ」と言う友人が出てきて、そのうち幾人かがクリスチャンになりました。友人から主の兄弟へ、やがて行く道も違い遠くになりましたが、友人以上の主の兄弟として尊い絆です。
そして教会へ初めて来られた方の迎え方についても述べておきたいと思います。初めて来られた方がまた足を運んで来られるかどうか。その方の求め方にもよりますが、礼拝様式や牧師の説教以外にも、教会の交わりの雰囲気も大きいと思われます。初めて来られた方をケアするだけでなく、友人となることが大切だと思います。「愛すること」を言っておきながら「孤独」を体験する教会へは足が運ばなくなります。
共々、主の証し人として召されている幸いに生きてまいりましょう。
ひらおか・まさゆき 1950年、福岡県生まれ。日本ルーテル神学大学神学部(現ルーテル学院大学)、日本ルーテル神学校卒業。83年より日本福音ルーテル教会牧師。85年から統一協会、94年にはオウム真理教信者の脱会支援に着手するなど、長くカルト問題に取り組み、カウンセリング活動を続けた。共著書に『マインドコントロールからの解放』(三一書房)、『啓示と宗教』(サンパウロ)など。2009年、58歳で逝去。