難民に対する教会の対応 WCC「あなたの中に神の姿を見る」

Photo: Albin Hillert/WCC

世界教会協議会(WCC)とACTアライアンスの代表団が先週、ハンガリー、ルーマニア、ウクライナを訪問した後、一行は戦争から逃れてきた何千何万という人々の生活に教会がどのように変化をもたらしているかについて考察して帰ってきた。WCCが公式サイトで報告した。

WCC副総幹事のイザベル・アパウォ・フィリ教授は、私たちが以前から教えられてきたこと、つまり、世界のどんな危機に対しても、教会は通常、最初に対応するものだということが確認できたと述べた。「私が見たのは、人々が私たちは同じ信仰に属しており、同じ人間であるという事実を強調していることです。ですから、彼らはウクライナ人を彼らの一人として見ているのです」と彼女は述べた。「人々が難民にとても敬意をもって接しているのが分かる」

教会が難民を助けることで、信仰者として対応しているという印象を与えている。「あなたの中にキリストを、あなたの中に神の姿をみて、尊厳をもって接するのです」と語るフィリ氏は、同じく戦火から逃れようとしているウクライナの黒人たちにも特別な配慮を示した。

「ウクライナ人でない人で、助けを必要としている移民がたくさんいる」

WCC国際担当ディレクターのピーター・プローヴ氏は、ウクライナでの戦争は地域と世界にとって大きな地政学的な課題であると述べた。「しかし、もちろん第一にそして最も重要な問題は、この紛争による人的影響と、この危機から逃れてきた女性、男性、子どもたちへもたらされた結末だ」と述べた。ここルーマニアでも、ハンガリーでも、教会や援助団体、その他の支援者たちから、「並外れた歓迎と、並外れたもてなしを受けている」のだ。「これこそ、私たちが確認したいこと」とプローヴ氏は言う。

AIDRomのエグゼクティブディレクターであるエレナ・ティモフティシウク氏は、教会がすぐに反応したことに感銘を受けたと述べている。「私たちの目的は、教会を奉仕者として働くようともに結びつけることだと思う」と語り、「最も困難な対応を要するのはこれからかもしれない」と付け加えた。

「これまでルーマニアはほとんど通過国にすぎなかったが、今や多くの人がルーマニアに留まることを選択したという結果が表れている」とティモフティシウク氏は言う。さらに、難民の家族のための宿泊施設を見つけることが大きな課題になっている。「それは主に女性や子どもなど、弱い立場の人たちだ」

ACTアライアンス事務局長のルデルマール・ブエノ・デ・ファリア氏は、戦争が人々や地域社会、家族に与えている恐ろしい影響を直接目にしたとし、「しかし、この災害の影響を受けている人々の連帯、関与、支援も多く見られた」と話す。「私たちは、初日から教会がどのように関わってきたかを見た」

信仰を基盤とするグループや教会は、即座に変化をもたらすことができると、デ・ファリア氏は加えた。「自身のアイデンティティーを醸成するだけでなく、人々のために一緒に働く異なる関係者を調整する働きの効果は、驚嘆すべきものがある。また、アドボカシー活動や平和構築も、教会の重要な役割である」

ACTアライアンスのプログラムディレクターであるトルステン・ゲーベル氏は、教会からの強い反応に感激したと述べている。また、難民の多くが、どこで助けが、あるいは法的支援が受けられるか、といった情報を必要としていると指摘した。「これはACTのメンバーがすでに可能にしていることだ」。この先、収容施設が問題になるという。「精神的、社会心理学的なサポートの必要性も増してくる」

AIDRomのソーシャルワーカーであるゾタ・イオヌット・ルシアン氏は、「今、人々が一番必要としているのは情報だ」とゲーベル氏の意見に同調した。「彼らは数日間だけ滞在する場所や、西側諸国への行き方を知る必要がある。中には、仕事探しや食料探しの手助けを必要としている人もいる。彼らの問題は簡単に解けない――彼らの心や気持ちは遠くウクライナにあるのだから」

(翻訳協力=中山信之)

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