阪神・淡路大震災から27年 森祐理さん「追悼のつどい」で亡き弟偲ぶ 元NHKアナウンサーもメッセージ

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阪神・淡路大震災から27年となる1月17日。モリユリ・ミュージック・ミニストリーズ主催による「阪神淡路大震災 追悼のつどい」が大阪クリスチャンセンター(大阪市中央区)で行われ、YouTubeでも同時配信された。神戸での追悼集会は、発生から20年を節目に数を減らしたが、「どんなに時が経っても、あの日のことを忘れず、心に刻み、共に祈る時をもちたい」との思いから、2016年からは同ミニストリーズが主催する形で継続されてきた。

「つどい」の主催者でもある福音歌手の森祐理さんが進行を務めつつ、賛美の歌声を披露。昨夏、土石流被害にあった熱海市でのハンガーゼロ(日本飢餓対策機構)による支援活動の報告、関西在住の牧師や信徒ら有志が2020年に立ち上げた関西キリスト災害ネットワーク(関キ災)の紹介の後、倒壊した家屋の残る神戸市街を映した当時の映像が上映された。そこには、就職を目前に命を落とした弟・渉さん(当時22歳)の下宿先と、そこで遺品を手にする森祐理さんの姿も。

続いて、渉さんのいた神戸大学の先輩にあたる元NHKアナウンサーの住田功一さんがビデオメッセージを寄せた。住田さんは長く震災報道に携わり、亡くなった後輩学生の遺族と向き合う過程で森さんの家族とも親しくなった。自身の長男を死産で失ったという経験もふまえ、「無条件に他人の誕生日を『おめでとう』とは言えない。さまざまな境遇にある視聴者を思うと、『皆さんにとって良い1日でありますように』とも言えなくなった。せめて『穏やかな1日でありますように』と願うのが精一杯。こうして共に振り返る機会を与えられたことを感謝したい」と静かに語りかけた。

 追悼メッセージを語った豊田信行さん(単立ニューライフキリスト教会牧師)は、5人兄弟の長男でありながら9歳で若き伝道者だった父を亡くし、まもなく末の弟も養子として他の家族に引き取られるという辛い経験を打ち明けた上で、哀歌に記された〝嘆き〟を解き明かしながら「聖書は失ったものではなく、残されたものの中に希望があると教えている。私たちに悲しみの意味は分からない。しかし神は、その流した涙を一滴たりとも無駄になさらず、誰かを生かす力、慰めとして用いてくださる」と語った。

 最後に、会場のホール、および配信を視聴する250人超の参加者が、フルートとピアノの生演奏を聞きながら共に祈りをささげた。

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