福音派の作家であり、国家宗教放送局(NRB)のスポークスマンであるダニエル・ダーリン氏=写真=は今月、USAトゥデイとMSNBC誌の記事でコロナワクチンを接種するという彼の決断について語った。
金曜日の時点で、彼の発言は同局での仕事を犠牲にしてしまった。同氏は今週、ワクチン接種の賛成メッセージが神への不服従に相当するとの声明に署名することを拒否し、NRBから解雇されたと情報筋が語った。ダーリン氏は「NRBでの時間が終わったことは悲しく、失望した」と述べた。
ダーリン氏は南部バプテスト連盟の倫理と宗教自由委員会(ERLC)でコミュニケーション担当副社長として6年間務めた後、2020年4月にNRBに参画。キリスト教コミュニケーターの最大の協会を名乗るNRBには、キリスト教のラジオ、テレビ、その他のメディアで1100人以上のメンバーが働いている。グループの目的の一部は、「メンバーの言論の自由の権利」を擁護することであるとしている。
ダーリン氏解雇の余波で、一部の福音派はNRBが言論の自由と反検閲に関する独自の方針に反していること、またダーリン氏のような指導者を犠牲にして保守的なラジオの大メディアと結託しているという懸念を表明した。NRBの最高経営責任者(CEO)トロイ・ミラー氏は、最初にこの話を報じたニュースサービスへの電子メールでダーリン氏の去就を確認したが、彼のワクチン発言が理由であるかどうかについて言及しなかった。「ダン(ダーリン氏)は優れたコミュニケーターであり、素晴らしい友人です」とミラー氏。「私は、彼の今後のあらゆる努力において『神の最善』を尽くすことを望む」
翌日、ミラー氏はツイッターで「この件に関する見解を理由に解雇されたNRBの従業員は1人もいない」と発信。彼は、CEOとして「これはNRBが何らかの方法を提唱するよう求められる問題ではない」「これからもNRBは中立のまま」と指令を出したと述べた。事情に詳しい関係者によると、ダーリン氏はこれまで、メディア出演の許可を逐一問い合わせることはなかったという。今年春、NRBのCEOは、昨年6月の大会に出席するようメンバーに促すメールで、ワクチンを「驚くほど効果的」と呼んでいた。
白人福音派は、春よりもコロナワクチン接種に対する躊躇は薄れたものの、最近の調査では依然としてアメリカ人全般には遅れをとっている。
ダーリン氏は、ワクチンが命を救うためどのように示されているか、またコロナウイルスによる不必要な犠牲者をこれ以上見たくないとの思いを説明。彼は、機関に対する信頼の高まりがワクチンをめぐる現在の分裂の要因になっていると嘆いた。
「今日の世界には、私たちの信頼に値するものは多くないが、コロナワクチンは信頼できるもの一つであると心から信じている」と、ダーリン氏はUSAトゥデイの8月1日の記事に書いている。「クリスチャンとして、またアメリカ人として、私はコロナワクチンを打つことを誇りに思った」
彼は「モーニングジョー」のホスト、ジョー・スカボロー氏に「ワクチンを接種すると、自分自身を守るだけでなく、ウイルスの拡散や、隣人への加害を防ぐためにも役割を果たす」と述べた。情報筋によると、彼は契約の解除に関する話し合いなしにいきなり解雇されたという。Twitterの友人、福音派の仲間、南部バプテスト連盟はダーリン氏を擁護し、この解雇について批判した。
コネチカット州の公立神学者でダーリン氏の元同僚であるラッセル・ムーア氏は、この決定を「狂気」と「許しがたい」と呼んだ。ノースグリーンビル大学の学長であるネイサン・フィン氏は、「人々は当然ながら彼を擁護するために現れてくるだろう」と話した。
ダーリン氏は声明の中で、ヨハネによる福音書17章によるイエスの祈りと、福音の真理において「一つになる」という願いに言及した。「国を分断する問題が、キリスト者をも分断していることを残念に思う」「私の願いは、イエスを愛し隣人を愛するという共通の使命の周辺に橋を架け、キリスト者を集めることだが、悲しいことに私たちは時折、世界を誘惑するものと同じものに誘惑されることがある」
本記事は「クリスチャニティー・トゥデイ」(米国)より翻訳、転載しました。翻訳にあたって、多少の編集をしています。
出典URL:https://www.christianitytoday.com/news/2021/august/daniel-darling-fired-nrb-covid-vaccine-morning-joe-usa-toda.html?fbclid=IwAR0gaiw4WLeP6K9S9CXr2O_O1sjVCdz7JOuQiAJ4UPi95RINMdipKp1Uy5c