米、イラクに粘土板「ギルガメシュの夢」など返還へ

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1991年の湾岸戦争、2003年のイラク戦争で多くの遺物を略奪されたイラクに、古代メソポタミア文明の遺物が多く含まれた遺物1万7千点が米国から返還された。韓国紙「東亜日報」が8月5日報じた。今回の返還に含まれてはいないが人類最古の文献の一つとされる3500年前のギルガメシュ叙事詩の一部が書かれた粘土板「ギルガメシュの夢」も近く返還されるという。

AP通信などによると、イラク政府は3日、記者会見を行い、「先週、米国を訪れたアルカディミ首相とともに遺物が戻って来た」と明らかにした。アルカディミ氏は、訪米前から遺物返還に向けて米国と接触し、先月26日のバイデン米大統領との会談でもこの懸案に言及した。

米国が返還した遺物のうち約7割の約1万2000点は、これまで首都ワシントンの聖書博物館が所蔵していた。多くがメソポタミア文明の有名都市「アイリサグリグ」関連の遺物だ。

特に、早ければ数週内に返還される「ギルガメシュの夢」に大きな関心が集まっている、と東亜日報。ギルガメシュ叙事詩は、古代メソポタミア都市国家ウルク第1王朝の王ギルガメシュに関する伝説を意味する。「ギルガメシュの夢」の大きさは横15センチ、縦12センチで、聖書に出てくる大洪水、エデンの園などに言及する内容もある。

この粘土板は、03年に米骨董品仲介人が英ロンドンで購入した後、密かに米国に搬入した。14年に米美術工芸品店「ホビー・ロビー」が購入した後、聖書博物館で展示してきた。最近、米連邦裁判所は、同店が「ギルガメシュの夢」を不法なルートで入手したとし、イラクへの返還を命じる判決を下した。(CJC)

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