Q.結婚して同居するようになった義父母が熱心な檀家(門徒)で、「教会に行くな」と言われてしまいました。(30代・女性)
どんなに仲の良い嫁・姑舅の間柄でも、いいえ、同じ血を分けた親子でも世代、考え、文化、そして生活習慣の違いがあって同居というものには摩擦がおきやすいものです。まして、あなたは「結婚した」と思っていても、義父母から見ると「嫁に来た」のであれば、家の習慣に従うことが当然なこととして求められ戸惑われることでしょう。
信教の自由を謳う現代ですから、「義父母から行動を束縛される筋合いはない」として、戦いを挑むこともできるでしょう。しかし、戦いによる解決は、勝者には優越感と支配、敗者には無力感と心を伴わない服従や隠された怒りが残るものです。
戦わなくても、「良き嫁」としての表面的な服従によって、相手の支配があなたの衣、食、夫婦のあり方、子どもの育て方にまで発展していくとしたら、それこそ大変です。人として、母として、夫婦としての意思と選択が尊重されない事態が続くと、あなたとあなたより弱い者との関係が支配関係となったり、自分自身が壊れていくことにもなりかねません。そうなれば、同居の継続も、その他の関係の継続すらも困難なこととなるでしょう。
今必要なのは、戦うことや表面的な服従よりも、理解しあうことではないでしょうか。教会に行くことがいかに大切なことかを理解していただく必要があるのです。しかし、もしあなたにキリストが味方してくださるのであれば、「自分がしてほしい」ことをまずあなたがしてみては、いかがですか。どうして義父母が「教会に行くな」と言われたのか、その背後にあって守りたい大切なものが何なのか、それをまずあなたが理解しようと努力することです。
もちろんこれは、簡単なことではないでしょう。しかし、自分の生き方を貫きたいという両者の思いがぶつかることよりも、相手の生き方を理解し尊重しあう関係への第一歩を踏み出すことこそ、本当の戦いなのかもしれません。主の恵みがあなたを通してご家族に注がれますように。
にしおか・まりこ 東京聖書学院、タルボット神学校(結婚・家族ミニストリーの修士)卒業。日本ホーリネス教団川越のぞみ教会で夫と共に牧会。結婚カウンセリング 「プリペアー/エンリッチ」の日本推進委員。ファミリー・フォーラム・ジャ パン評議員、臨床牧会研究会・結婚カウンセリング部門担当委員、3人娘の母。