「えきゅぷろ!」と初めて関わりを持ったのは2017年のことでした。ルターの宗教改革500周年の折に集まったカトリック、日本福音ルーテル教会の青年たちと共に話し合い、時にぶつかり合いながら作り上げたあの1日は今でも大切な思い出の一片です。しかし、この時から今に至るまで、私の脳内には一つの疑問が付きまとうようになりました。それは、一体エキュメニカルとは何なのであろう、という命題です。
自分の所属する教団は国内で最大規模を誇るプロテスタント合同教会です。全国に1700を超える教会があり、教区も全国区、合同教会であるので伝統的な教派、教会も無数に存在します。しかし、その中でエキュメニカルについて語られることは多くありません。いや、ほとんど皆無と言ってもいいのではないでしょうか。
実際、私は「えきゅぷろ!」に関わるまで自分の教団が超教派であることをきちんと認識できていなかったように思います。これにはさまざまな理由があります。教団が各教会の独立性を大事にしていること。そのため広報力がやや弱いということ。青年の活動の応援の仕方に不慣れな部分があるということ。巨大な組織ゆえ、多くの場面で自己完結できてしまうこと、そして細部まで目が届きにくい面があること。……などなど、いくらでも理由はつけることができます。
そうした教団の中で育まれ、エキュメニカルな環境でありながらも、自分たちのエキュメニカル性を認識せずに「えきゅぷろ!」の中で常にその疑問を抱えていました。多様な価値観が乱立した一種の混乱の社会の中で、キリストにあって一致するというのはどういうことなのか。きっとこの問いが自分の教会の問題と不可分だということを直感的に悟っていました。
17年から21年に至る「えきゅぷろ!」での体験を通して出した一つの答え。それをひと言で言い表すならば、「一つにならなくてもいいよ」です。(つづく)
(スタッフ・ゆたか)