教皇フランシスコの新回勅「フラテッリ・トゥッティ」についての記者発表が10月4日、バチカンのシノドス・ホールで行われた。公設バチカン・ニュースの報道によると、バチカン国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿=写真=は、教皇の新回勅が、国際レベルの真の社会正義のために、兄弟愛の道を進み、共に行動することの重要性を示している、と強調した。
現在のパンデミックは、私たちの偽りの安定を光の下にさらすことになったが、教皇はこの体験から、「現実の分析に留まることなく問題と向き合い、回答を与えることのできる行動の必要を呼びかけている」とパロリン枢機卿は話した。
世界で科学研究が日々成果を上げている一方で、共に行動する力は未だ欠けている、と同枢機卿は述べ、人々が複雑、密接につながり合う世界にもかかわらず、実際にはそこにまとまりは存在せず、それが私たち皆に関わる問題の解決を難しくしている、と語った。
さらに、「対話こそが心の壁を破り、赦しに向かって開き、和解を促進する」と述べ、国際社会が教皇の回勅の内容を心に受け止めることを願うと共に、それぞれの人が日常生活の中で、自分にできることを行動に変えていくことが大切、と話した。
パロリン枢機卿は、無法地帯が存在するかのような、あるいは、禁止されていないことは許可されたことであるかのような論理の中で、共通善と国々が優先する利益との間に矛盾が拡大する今日の国際情勢を注視し、こうした結果、見捨てられた無数の人々が一部の人々の善意にすがるほかない状況に陥っていると指摘。これとは反対に、兄弟愛は全体の利益という考えに導き、真の連帯を築き、国際共同体のあり方、関係を変えるものと強調した。
兄弟愛は、国際社会を単に必要な共存から「人類」という共通概念に基づく共存へと変容させるよう、国々の治世者、外交官、平和と発展のために働くすべての人々を促している。(CJC)
By SaeimaDerivative work: TharonXX – This file has been extracted from another file: Ināra Mūrniece tiekas ar Svētā Krēsla Valsts sekretāru (26363562894).jpg, CC BY-SA 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=49430484