香港聖公会ポール・クウォン(鄺保羅)大主教 国家安全維持法を「歓迎」と表明 2020年7月24日

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 「国家安全維持法」で揺れる香港で、同法に対するキリスト教会の反応はさまざまだが、香港聖公会のポール・クウォン(鄺保羅)大主教は、イギリス聖公会の週刊新聞「Church Times」への寄稿文(7月10日執筆、7月23日掲載)の中で、「私はこの法律を歓迎する」と同法支持の立場を改めて表明した。

 同大主教は寄稿文の中で、「(香港の)宗教指導者の多くは国家安全維持法に反対する立場を採っていない。この法律に対する我々の立場は西洋の人々の立場とは異なっているということを私は承知しているが、これこそが我々にとって最善であると我々は信じている。諸外国には、どうか我々の事柄に干渉せず、我々を理解してくれるようにお願いしたい」と、海外世論を牽制した。

 ポール・クウォン大主教は中国人民政治協商会議全国委員会の委員も務めており、しばしば中国政府寄りの発言をすることでも知られている。同大主教は寄稿文の最後に、「多くの西洋のメディアや政治家によって、中国は香港のすべてを破壊しようとする悪であるかのように絶えず描かれるのに対して、イギリス政府やアメリカ政府は香港の善意ある擁護者・救世主として賞賛されている。しかし実際には、中国はこれまで何年にもわたり、香港と香港の人々を援助し、支持し続けてくれている。我々は中国の一部であり、中国に依り頼み、中国から利益を受けている」と述べ、中国政府支持の立場を鮮明にしている。

 これに対して、SNS上には「ユダ」「羊の皮を被った狼」「地下党員」と、同氏に対する激しい批判が多く書き込まれている。

 「国家安全維持法」に対する立場や見解の相違によって、香港の教会・牧師・信徒たちの間には大きな亀裂が入っており、今後、さらに議論が激化することが予想される。

 「Church Times」の報道と同大主教の寄稿文全文(英語)は、以下を参照。(報告=松谷曄介)

Hong Kong Archbishop welcomes new security law
https://www.churchtimes.co.uk/articles/2020/10-july/news/world/hong-kong-archbishop-welcomes-new-security-law?fbclid=IwAR2bgHXJ_NltS6Hdnl1UmIatQUax1lBL0WwUtl8XkfV6zMV6la_wNgI-Qyg

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