8月28日 アモス書5章24節

正義を洪水のように、恵みのわざを大河のように、尽きることなく流れさせよ。
アモス書5章24節(参考箇所同書5章21〜27節)

預言者アモスの時代、律法による神殿祭儀が行われていましたが、人々は形式的な祭儀に慣れ切っていました。アモスは、そのような当時の信仰共同体の風潮にメスを入れようとしているのです。「正義を洪水のように、恵みのわざを大河のように、尽きることなく流れさせよ」とは、信仰共同体にはなにがなくてはならないかを鋭く説く言葉です。

「正義」とは、もともと神と人間の関係が正しいこと意味します。その「正義」は信仰共同体の中心となるべきことです。しかもその正義は洪水の水のように信仰にある共同体に満ちあふれていなければならないのです。神と人との関係が正しくなければ、共同体は生命を失い、生き生きと生きることはできません。信仰にある共同体であればこそ、正義が漲(みなぎ)っていなければなりません。

アモスは加えて、「恵み」を強調しました。「恵み」とは神の働きの結果を意味します。人はその恵みを発見して感謝をし、喜びを持ちます。信仰にある共同体こそ恵みを大いに発見するところです。それこそ大河の流れのように恵みを発見するのではないでしょうか。これを今日の教会に当てはめることが肝要です。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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