サムエルは言った。「主が喜ばれるのは、焼き尽くす捧げ物やいけにえであろうか。むしろ、主の御声に聞き従うことではないか。・・・」
サムエル記上15章22節(参考箇所同書15章1〜35節)
サムエルはサウルに命じてエジプトを出て以来の宿敵アマレク人を滅ぼせとの命令を下しました。彼らはイスラエルにとって許し難い宿敵でした。サウルは戦いに勝利しますが、滅ぼし尽くせとの命令に従わず、アマレクの王を生け捕りにし、最上の羊と牛を犠牲の献げ物として取り分けたことをサムエルは咎(とが)めて言った言葉です。サウルは自分なりの考えで、よいと判断したことを実行したのでした。
サムエルは、それに対して「主が喜ばれるのは、焼き尽くす捧げ物やいけにえであろうか。むしろ、主の御声に聞き従うことではないか」と言います。神が命じられたことには忠実に従うべきであるというのです。
信仰的な判断と人間的な判断が拮抗するような時があります。ときには信仰的な判断よりも人間的な判断の方が優っているかのような感がすることもあるかもしれません。サウルは明らかに自分の判断がよりよいと思ったのです。しかしその判断は、神の命令に従う信仰の判断に道を譲らねばならないのです。ときとして、それは苦渋の決断を強いることもあるでしょう。にもかかわらず、信仰的な判断が優先するのは、物事の究極の判断は神のみ手にのみあることを信じているからです。