5月21日 ヨシュア記1章5〜6節

 わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない。強く、雄々しくあれ。
ヨシュア記1章5〜6節(参考箇所同書1章1〜9節)

モーセの後継者ヌンの子ヨシュアに神が言われた言葉。モーセの後を継いだヨシュアは、多くの困難を越えてヨルダンを渡らねばなりません。その前途には何が待ち受けているか分からないとき、エイヤッと思い切って飛び込むような決断が求められることがあるものです。そのためには勇気が必要です。しかし勇気とはそもそも自分の中に備わっていないものです。

ヨシュアがモーセの後を継ぎ、約束の地カナンへ入ってイスラエルの民たちを安住の地へ導くために、彼に盤石の自信があるわけでもなく、練りに練った計画があるわけでもありません。必要なものはそれこそ勇気でした。神はヨシュアに「あなたを見放すことも、見捨てることもない」と言われます。ヨシュアの傍には、あのモーセと共にあった神が、共にいると約束されるのです。これから先、前途に暗雲が立ちこめ、先が見えないようなこともありましょう。けれども、共にいると言われる方がおいでになるなら、前に向かって進む勇気はそこから生まれます。神は共にいますお方であるとは聖書全般を通して流れ続ける信仰のテーマです。信仰者の人生には、いつもこのテーマが流れ続けています。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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