5月20日 申命記30章15節

 見よ、わたしは今日、命と幸い、死と災いをあなたの前に置く。
申命記30章15節(参考箇所同書28章69節〜30章1〜20節)

命と幸い、死と災いは、人生には付き物で乗り越えなければならない壁であり、立つか倒れるかの分かれ道ともいうべきものです。どちらに人生が転ぶかによって様相はがらりと変るでしょう。できれば命と幸いに満ちた人生を送りたいものだと願います。でもそれが思うようにはならないのも人生です。

予期しないかたちで死や災いに脅かされることはけっして珍しいことではありません。どれほど知恵を張り巡らせたとしても、こればかりは避けることができません。運命と諦めるのでしょうか。それとも自暴自棄になって身を滅ぼすのでしょうか。神は「わたしが今日命じるとおり、あなたの神、主を愛し、その道に従って歩み、その戒めと掟と法を守るならば、あなたは命を得、かつ増える」(16節)と言われます。

キリスト者の生き方は、どんな善いことをし、どんな悪いことをしないかではない、わたしに対する神の御心は、なんであるかを探り求め、御心の示すように決断して生きることだと言われているのです。人生の分かれ道に立つとき、わたしに対する神の御心はなにか、そこから聞えてくる声に耳を澄ませ従うことが、命と幸いへの道です。

賀来 周一

賀来 周一

1931年、福岡県生まれ。鹿児島大学、立教大学大学院、日本ルーテル神学校、米国トリニティー・ルーテル神学校卒業。日本福音ルーテル教会牧師として、京都賀茂川、東京、札幌、武蔵野教会を牧会。その後、ルーテル学院大学教授を経て、現在、キリスト教カウンセリングセンター理事長。

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