米福音派・カトリック・NCC 指導者らが選挙を経て祈り呼びかけ

 米国の福音派プロテスタントの全国組織である米国福音主義者協会(NAE)は11月6日、トランプ次期大統領やその他すべての当選した指導者たちのために祈りを呼びかけると公式サイトで発表した。

「NAEは、ドナルド・トランプ次期大統領、J・D・バンス次期副大統領、そして有権者によって選出された連邦議会、州政府、地方政府を含む新たに選出された指導者たちのために祈ることに参加するよう全てのアメリカ人に呼び掛けている」と強調。

NAEのウォルター・キム会長は「選挙では必然的に勝者と敗者が生まれる」と述べ、「私たちは、勝利した人々に対する神の導きと祝福を祈ります。彼らが託された責任を良き管理者として果たしてくれること、そして疎外されている、あるいは聞いてもらえないと感じている人々を含め、すべてのアメリカ国民の声に耳を傾け、語りかけてくれることを祈ります。私たちは、自分たちの時間と才能を使って国を建設的に祝福する新たな方法を模索している、競争に負けた人々の慰めを祈ります」と加えた。

「開票と結果認定のプロセスが続く中、米国福音主義者協会は、安全保障の脅威に直面しながらも、勤勉かつ忠実な奉仕で選挙制度を管理してくれた役人や職員に感謝の意を表します」

NAEは、選挙結果の一部または全部に失望している同胞に対し、分断の火をあおるのではなく理解の橋を築くことを目指し、平和的に意見を表明するよう呼び掛けているという。NAEの新しいポッドキャスト・シリーズ「Difficult Conversations(困難な会話)」は、政治的意見の相違によって緊張したり壊れたりした関係を再構築するための資料だと説明している。

「福音派クリスチャンとして、私たちは票を受け取ったかどうかに関係なく、すべての指導者たちのために祈ります。私たちは預言者エレミヤとともに、私たちが住む国の平和と繁栄を祈ります(エレミヤ書29章7節)」とキム会長。「私たちは隣人と平和に暮らし、権力者に真実を語り、困っている人たちを気遣い、弱い立場にある人たちを守り、まったく異なる視点を持つ人々も含め、神の似姿に造られたすべての人々を愛することを求めています」

米カトリック司教協議会会長も6日、公式サイトで大統領選挙を受けて祈りと一致を呼びかけた。

「米国カトリック司教協議会(USCCB)会長のティモシー・P・ブログリオ大司教は、昨日の大統領選挙の結果を受けて声明を発表した」と、同協議会は記した。「エキュメニカル・ニュース・ジャパン」による全訳は次の通り。


 「米国では幸運にも民主主義国家に住んでおり、昨日、米国国民は、次期米国大統領として誰が我が国を率いるべきかを選ぶ投票に行きました。私は、トランプ次期大統領と、国民を代表して選挙運動を行った国、州、地方の役人たちに祝福を送ります。今、私たちは選挙運動から統治へと移行しています。私たちは、ある政府から次の政府に平和的に移行できることを嬉しく思います」

 「カトリック教会はどの政党とも提携しておらず、司教会議も提携していません。誰がホワイトハウスを占めても、国会議事堂で過半数を占めても、教会の教えは変わりません。そして私たち司教は、すべての人の共通善を推進するために、国民から選ばれた代表者たちと協力することを楽しみにしています。キリスト教徒として、そしてアメリカ人として、たとえ公共政策の問題をどのように遂行するかについて意見が異なる場合でも、私たちは慈善、敬意、礼儀をもってお互いに接する義務があります。多くの賜物に恵まれた国として、私たちは国境の外にいる人々にも配慮し、全ての人に援助を提供することに熱心でなければなりません」

 「トランプ次期大統領と公共生活の全ての指導者たちが、私たちの国と彼らが代表する人々に奉仕する際に、託された責任を果たすために立ち上がることができるよう祈りましょう。私たちの国の守護者である聖なる御母に、全ての人々の共通善を守り、人間の尊厳を促進するよう導いてくださるよう、特に胎児や貧しい人々、旅人、高齢者や病弱な人、そして移民たちを含む、私たちの中で最も弱い立場にある人々の尊厳を促進するよう導いてくださるようお願いしましょう」

 一方、米国キリスト教会協議会(NCC-USA)は8日、X(旧ツイッター)で、同日夜7時から8時半まで同国のための祈りをオンラインで緊急に呼びかけている。同協議会は、「信仰と公民権の指導者たちと一緒に、私たちの国のために祈りの時間を過ごしましょう」として参加を求めた。

(エキュメニカル・ニュース・ジャパン)

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