そして、イエスに紫の服を着せ、茨の冠を編んでかぶらせ、
「ユダヤ人の王、万歳」と言って敬礼し始めた。
マルコ15章18節(参考聖書箇所同書15章16?20節)
聖書はまことに不思議な方法でわたしたちに真実を伝えるものです。ローマの兵士たちは、侮蔑の意味でイエスを王に仕立てあげました。ピラトの官邸での彼らの有様を、「イエスに紫の服を着せ、茨の冠を編んでかぶらせ、『ユダヤ人の王、万歳』と言って敬礼し始めた」と福音書は記しています。彼らの立場からいえば、イエスは反逆者である死刑囚のはずでした。しかしながら、彼らはその反逆者に「敬礼をし始めた」とあります。
ここには聖書の逆説の真理があります。主イエスは神の国の王としてわたしたちの救いを成し遂げてくださるお方です。ローマの兵士たちは、主イエスが真の王であることを知らないまま、侮蔑の対象としての王を見ているのです。彼らが侮蔑を込めた敬礼は、真の王に対する背信の姿に他なりません。
しかし主は彼らの侮蔑の敬礼を、神の国の王として受け入れておいでになります。それは知らずして背信の罪を犯す彼らを救うためです。救い主でいますお方は、こうしてわたしたちが知らないで犯す罪さえも、死をもって受け止め救ってくださいます。