中島耕二編/日本基督教団新栄教会タムソン書簡集編集委員会訳 タムソン書簡集(山ノ下恭二)【本のひろば.com】

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評者: 山ノ下恭二

52年間伝道に尽力した来日宣教師の足跡
〈評者〉山ノ下恭二


タムソン書簡集
中島耕二編
日本基督教団新栄教会 タムソン書簡集編集委員会訳
四六判・394頁・定価6380円・教文館
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 このたび、『タムソン書簡集』が出版され、来日した一人の宣教師が、この時代に日本でどのように教会を設立し、伝道したのかを知る有益な資料を与えられたことを感謝したいと思います。
この書簡集には、一四九の手紙が収められています。ヘボン、S・R・ブラウン、フルベッキ、バラなどの来日宣教師はよく知られていますが、タムソンの名前は余り知られていません。彼は一八六三年に来日し、最初の日本人プロテスタント教会となった日本基督横浜公会の創立に貢献し、一八七三年には東京築地に日本基督東京公会(現・新栄教会)を創立し、仮牧師に就任しています。その後、多くの人々に洗礼を施し、現在の池袋西教会、牛込払方町教会、本郷教会、日本橋教会、桐生教会の創立に関わり、小石川明星教会、高井戸教会の説教を担当しました。五二年にわたり日本の伝道のために尽力し、日本で逝去し、染井霊園に墓があるのです。
私がタムソンを知ったのは、牛込払方町教会創立一〇〇年記念誌の最初に彼の顔写真が掲載されていたからです。この百年誌には、牛込払方町教会の初代・四代牧師の小川義綏と二代牧師の奥野昌綱がタムソンから深い影響を受け、親しい関係をもっていたことが記されています。この書簡集にたびたび小川義綏と奥野昌綱が登場するのですが、二人とも宣教師の日本語通訳として、宣教師たちと共同して伝道をしているのです。

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