沖縄県うるま市のパーソナルトレーニングジム「Life Build Gym BLETH(ブレス)」を経営している坂 愛太郎(さか・あいたろう)さん。フリーランスでフォトグラファーや、アパレルブランドも展開するなど、様々な分野で活躍しています。前編ではクリスチャンのパーソナルトレーナーとしての向き合い方についてお話を伺います。
――早速ですが、このお仕事に就いたきっかけから教えてください。
ご自身はいつ頃から体を鍛えていらっしゃるのでしょう?
筋トレを始めたのは23、4歳頃からです。
元々はプロバスケットボール選手を目指していたのですが、トライアウト(プロテスト)前に靭帯を3本切る大怪我をしてしまいました。小学生3、4年生の頃から20代前半まで、ずっとやってきたバスケットボールができなくなったことで親にも当たってしまうこともあって…。これではいけないとストレス発散の目的で筋トレを始めました。
ある時、海外留学中に太ってしまった高校時代の友人減量のために一緒にトレーニングをしたことで指導する楽しさに目覚め、大手パーソナルトレーニングジムへ転職しました。初めの内は筋トレをしながらお金を稼げたらいいなと軽い気持ちだったのですが、会社説明会で「人生が変わった」と涙を流すお客様の映像を見て、お金をいただきながら感謝される仕事があるなんてと衝撃を受けました。「自分も人の人生に本気で携われる仕事がしたい」と思ったんです。
――初めから独立するつもりだったのでしょうか?
売上げよりもどうすればお客様が少しでも幸せになれるかを考える会社の在り方と、そこで働く人達に惹かれて入社したのですが、だんだんそれが逆転してきたことなど色々な出来事が重なり独立を考え始めました。
その時に1人のお客様に声をかけていただきまして、サポートを受けながら独立することになりました。
――目先の利益ではなく、お客様との信頼関係を選ばれたことで独立につながったんですね。
そうですね。
ジムの運営は決して楽ではありませんが、常にお客様に寄り添うことを最優先に考えています。
最近改めて、私は「パーソナルトレーナー」の仕事はクリスチャンがやるべき仕事かもしれないなと感じているんです。
――なぜ、そう思われるのでしょう?
「痩せたい」「筋肉をつけたい」などパーソナルジムを訪れる人の目的を本当の意味で叶えるためには、単に運動や食事などを通して体を変えることよりも、物事の捉え方や考え方など、内面から変えることが重要だと思うからです。
私(第三者)が「この人ならできるはず」と思っていることも、ネガティブ思考の人は、どんどん自分自身の可能性を閉ざしてしまいがちです。
一人ひとりと向き合ってその可能性を広げ、成長のために寄り添う時に、クリスチャンならではの視点や寄り添い方が生かされると思っています。
具体的なエピソードを挙げると、「フルマラソンなんて絶対無理です」と言っていた方がいたのですが、現実的かつ、頑張ったら達成できそうな具体的な目標を立て、無理のない範囲で取り組んでもらった結果、本当にフルマラソン完走する事ができたんです!
――確かに、一定の期間だけ生活習慣を変えて痩せたとしても、リバウンドしてしまうケースはよく聞きます。
パーソナルトレーナーのお仕事は奥が深いんですね。
そうですね。内側から変わらないと、リバウンドやトレーナーへの依存にもつながりやすいです。
私は特に、トレーニング以外でもお客様との関係を大切にしていて、時にはお客様が経営するお店のお祝いや、お子さんのスポーツの試合の応援に駆けつけることも。
クリスチャンであることはお客様もスタッフもみんな知っていますし、ジム内でもHill Song(※)をかけていたりします。
自分の行動や言動、接し方を通してクリスチャンのイメージが変わったり何かを感じてくれると嬉しいですね。
※Hill Song(ヒルソング)…オーストラリアを拠点としたキリスト教ペンテコステ派のヒルソング教会から誕生したユニット「Hillsong United」のこと。現代的な表現で神を讃美するワーシップバンドとして知られ、若い世代を中心に広く支持されている
――坂さんの今の在り方は、ご自身がクリスチャンであることや育った環境が影響しているのでしょうか。(つづきはたまものクラブで)