この国がこの国でなくなったら何が起こるか。【聖書からよもやま話370】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 旧約聖書、エレミヤ書の32章です。よろしくどうぞ。

エレミヤ書 32章14節

これらの証書、すなわち封印されたこの購入証書と、封印のない証書を取って土の器の中に入れ、これを長い間、保存せよ。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

エレミヤは親戚から土地を買って購入証書を書きました。しかしその証書はまもなく無効になってしまう恐れがありました。バビロニア軍がエルサレムを包囲していたからです。バビロニア軍にエルサレムが占領されれば、エルサレムはバビロニアの法律で管理されることになりますから、それまでの法律上で成立した契約は無効になってしまいます。そうなればエレミヤが書いた購入証書も何の効力も持たなくなります。

しかし神様はエレミヤに「その購入証書をしっかりと保存しておけよ」と命じました。それは「いずれまた、その証書が有効になる日が来るから」ということでした。神様は、エルサレムを一度はバビロニアに占領させても、いつまでもそのままにはせず、やがて元の形に復帰させると、この命令を通してエレミヤに教えたのでした。

契約は法律上での行為ですから法律が崩れてしまえば崩れます。もちろん「法の不遡及」という法律上の大切なルールがありますから、今の日本で成立した契約は、未来において法律が変わったとしても原則としてそこが日本である限りいつまでも有効です。しかしたとえば万一、日本が他の国に占領されて他の国の法律によって統治されるようになったなら、この「法の不遡及」が適用されるかどうかはわかりません。「法の不遡及」はあくまでも日本国法の中でのルールだからです。

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UnsplashCytonn Photographyが撮影した写真

日本を占領したその国がもし「土地の私的所有を認めない」という国であれば、僕たちが今所有している土地や家も、みんなその所有権を取り上げられます。そうなればマンションやアパートの賃貸契約だって成り立ちません。僕たちが当たり前と思っている「法治国家」というのは、法が崩れるとあまりに脆いのです。あらゆる営みが法によって管理されている以上、それが崩れればあらゆる営みが崩れてしまうんです。それほど法というのは僕たちの生活に密着しているものです。コンビニでお菓子ひとつ買うのでさえそれは法律行為ですし、落とした財布を自分で拾う権利があるのも法律によって定められた権利です。そもそも、財布の中身のお金がお金として価値があるということも、法律によって定められたことで、法が無効になればお金もただの紙切れです。

エレミヤはもしかしたら「国が滅びるというのに、契約書なんて残したところで意味があるのだろうか」と思ったかもしれません。しかし今の日本人の感覚では「国が変わっても契約書があれば大丈夫だろうからちゃんと残しておこう」と考える人が多いように思います。当時のイスラエルの人たちは少なくとも今の日本よりは「国が占領される」ということ、それによって「法が変わる」ということの重要性を痛感していたでしょう。

今日の契約が明日も有効であるというのは法で保証されていることです。しかしその法が明日も有効であるかどうかは、その法自身によってしか保証されません。別の法体系が襲ってくれば変わってしまうかもしれません。その点で僕たちは「法」という一種の予定調和の中で生きています。しかし実は今日の法が明日も続くこと、今日の契約が明日も続くことは実はとてもありがたいことなんです。

さて、これからコンビニに行って、売買契約を締結してお昼ごはんをゲットしてこようかと思います。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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