トンネルを抜けるには徒歩より電車がいい。【聖書からよもやま話359】

主の御名をあがめます。

皆様いかがおすごしでしょうか。MAROです。
本日もクリプレにお越しいただきありがとうございます。

聖書のランダムに選ばれた章から思い浮かんだよもやま話をしようという【聖書からよもやま話】、今日は 新約聖書、コリント人への手紙第二の7章です。よろしくどうぞ。

コリント人への手紙第二 7章5節

マケドニアに着いたとき、私たちの身には全く安らぎがなく、あらゆることで苦しんでいました。外には戦いが、内には恐れがありました。
(『聖書 新改訳2017』新日本聖書刊行会)

「洗礼を受けてクリスチャンになったのに、苦しいことばかりだ!」なんて嘆くクリスチャンの声をときどき聞きます。また、ノンクリスチャンの方から「クリスチャンになると苦しみから解放されるの?」とか聞かれることもあります。

実際、クリスチャンになっても世の苦しみから解放されることはありません。ただハッピーエンドが約束されるだけであって、今ここにある苦しみは変わらずそこにあり続けますし、場合によってはより重たくなったりさえします。それは使徒としてキリスト教の確立に大きな貢献をしたパウロでも、同じことでした。

パウロがマケドニアに行ったのは回心してクリスチャンになった後でしたが、その時に「全く安らぎがなく、あらゆることで苦しみ、外には戦い、内には恐れがあった」と告白しています。パウロでさえそんな状況をクリスチャンとして経験しているのですから、僕たちもまた同じ状況を通されることはちっとも不思議ではありません。僕たちもまたクリスチャンとして「全く安らぎがなく、あらゆることで苦しみ、外には戦い、内には恐れ」という状況を経験するんです。僕自身ももちろん、今もそんな状況の中にいます。

まったく安らぎがないと言えば言い過ぎですけれど、安らげずに苛立つ時間も多いですし、毎日様々な苦しみが襲ってきます。身体の痛みに苦しむこともあれば、人間関係に苦しむこともあります。そして何より心の内側に「この先どうなるのだろうか」という恐れがあります。神様がハッピーエンドを約束してくださっている、という信仰の中にいながら、「この先どうなるのだろうか」という恐れを抱いてしまっています。
しかし、救いなのはパウロがこの告白を「あった」と過去形で行なっているところです。つまりパウロはその状況から抜け出したんです。トンネルを抜けたんです。だから僕たちもまた、今はトンネルの中にいるとしても、いずれそこから抜けることができるということです。世の価値観では「自分の力と努力でトンネルを抜け出そう!」と励ますのかもしれませんが、キリスト教では違います。「神様がトンネルからいずれ抜け出させてくださる。抜け出す道をちゃんと用意してくださっている」と慰めます。パウロは決して「私は自分の力で前進し、自分の力でトンネルを抜け出したのだ!だから私を手本にしなさい!」なんてことは言っていません。そうではなく「私のような者でも、神様によって前進させられ、トンネルから出されたのです。だから皆さんにも同じように神様はしてくださいます」と言っています。
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今、苦しみや不安のトンネルの中にいる方。そのトンネルはずっと終わらないように思えるかもしれません。人生全体がトンネルのように見えてしまっているかもしれません。でも大丈夫です。神様は必ずそのトンネルからの脱出の道を備えてくださっていますし、その道を自分の努力で探し、進む必要はないんです。電車でトンネルを通るのに、自分の労力は要りませんよね。電車に身を委ねて席に座っていれば、いつの間にやらトンネルを抜けています。電車に乗りながら「このトンネルは抜けられないんじゃないか」なんて心配する人はいません。

そんなわけで、すでに電車に乗っているクリスチャンの方は安心してそのまま乗っていて欲しいと思います。電車の中で不安になってジタバタしたりせずに。とはいえ僕自身も、電車の中で不安になってジタバタしているタイプなのですけれども。電車の中で走ったら少しでも早く進むんじゃないか、なんて思ってしまうタイプなのですけれども。

そしてノンクリスチャンの方には、「この電車は切符なしで、誰にでも乗れるんですよ」ということをお知らせしたいと思います。「そんな都合のいい話はない!」と思われるかもしれません。確かに他のあらゆる「電車」には切符や代償が必要でしょう。でもこの電車だけはイエス様が先にぜんぶ僕たちの分の運賃を払ってくれているので、僕たちは切符なしに乗ることができるんです。「だからあなたも今すぐ乗りましょう!」なんていう気はありません。でも「いつでも乗ることができる電車がある」ということを、心のどこかに留めておいてもらえれば、それだけでいいです。よろしくどうぞ。

それではまた。

主にありて。
MAROでした。

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