コロナ禍に生きる ~精神科の診察室から~

2020年初頭、日本に上陸した新型コロナウイルス。ウイルスは全世界で同時多発的に発症し、その全貌が未だ見えないまま各国が対応に追われている。日本国内でも、今までと全く違う生活様式が求められ、それに戸惑い、遂には心の病気を発症してしまう人も少なくない。ここからクリニック(千葉県旭市)院長で、クリスチャンの精神科医佐多範洋さんに話を聞いた。

--新型コロナウィルスが原因でどんなことが私たちの心に起きているのでしょう?

今まで経験したことのないような状況が続いています。多かれ少なかれ、影響を受けていない人はいないのではないでしょうか。特に、日本では新年度を迎える4月が緊急事態宣言下であったことから、進学した学生、新社会人となった人々にとって、戸惑いの多い季節となったようです。友達を作る時期に直接学校へ行くことができないので、孤独を感じる学生も多くいました。その中でオンライン学習という新たな学習方法が急遽(きゅうきょ)導入され、会ったこともない先生がスクリーンの中に現れ、授業を聞いて、レポートを提出するというスタイルになかなか慣れず、すでに授業についていけないと感じ、心を病んでしまう学生もいました。また、新社会人は、リモートワークでの戸惑いはもちろんですが、本来なら、何か仕事で行き詰った時に気分転換のために同期の仲間と食事に行ったり、飲みに行ったりということができないというのも、精神的には良い状態ではありませんね。

--高齢の方々の生活は?

高齢の方々は、もともと外出する機会というのは若い人に比べ少ないと思いますが、施設などでは、トラブルが増えていると聞きます。いつもは週末に家族が会いにきたり、一時帰宅したりするのに、コロナの影響で面会などができない施設が多くあります。すると、そうしたストレスが内側に向いてしまい、入居者同士のトラブルにもなりかねないのです。

--小中学生の生活には問題ありませんか?

一つは、絶対的な運動不足ですよね。それから、ゲーム中毒が増えています。緊急事態宣言は解除されたとは言え、なんとなく自粛生活が続いていて、結局は家にいてゲームをする。オンラインで友達とつながり、家族が寝静まっても夜な夜なゲームを楽しみ、昼夜逆転してしまう子も少なくありません。そこから、不登校になってしまうと、なかなか学校に復帰することができず、勉強や進学に大きな影響を及ぼしてしまいます。これからまだまだ増えていくことが予想されます。

--教会を含め、小さなコミュニティでできることは?

まずは、よく言われることですが、「正しくこのウイルスと対峙’たいじ)する」ということですね。教会などにおいては、ルールを決めることは一つ良いことだと思います。「マスクは必ずする」とか「席は一つずつあける」「礼拝が終わった後は、あまり集まって話さない」などですね。こうしたルールがないと、結局、トラブルの元になってしまいます。

--心が疲れていると感じた場合、どうしたら良いのでしょう?

まずは、ゆっくり休むとか栄養のあるものを食べるといった基本的なことができるかどうかが見極めるポイントだと思います。もし、日常生活にも支障をきたすようであれば、気軽に、そして迷わずお近くの精神科医にご相談ください。溜め込んだり、我慢するのはあまりよくありません。神様からいただいている英知を用いて、よりよい生活ができるようにするのが私たちの務めだと思います。

--最後に、衛生面から正しいマスクのつけ方や予防法を教えてください

新型コロナウィルスは、空気感染ではなく飛沫で感染をします。インフルエンザと一緒ですね。この飛沫をいかに体内に入れないかが最大の予防になります。
詳しくは、Youtubeをご参照ください。

20200622:マスクを再びつけるとき、こういうことに気をつけよう!
守田 早生里

守田 早生里

日本ナザレン教団会員。社会問題をキリスト教の観点から取材。フリーライター歴10年。趣味はライフストーリーを聞くこと、食べること、読書、ドライブ。

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