香蘭女学校創立130周年記念特別企画展、立教大学で開催中

 

キリスト教主義学校の香蘭(こうらん)女学校(東京都品川区)の創立130周年を記念した特別企画展「咲くはわが身のつとめなり──香蘭女学校130年のあゆみ」(主催:香蘭女学校中等科高等科、立教学院展示館)が立教学院展示館(東京都豊島区)で開催されている。28日まで。

展示会場では、展示品だけでなく、「香蘭の思い出」も上映されている=18日、立教学院展示館(東京都豊島区)で

香蘭女学校は、英国国教会のエドワード・ビカステス主教(1850〜97)により、1888年に開校した。立教大学と同じ聖公会系のミッション・スクールであることから、同大への推薦制度があり、大学進学者のうち約半数は同大に進学する。

1910年、寄宿舎からの出火による火災と、45年の空襲により、校舎を2度も焼失して、戦前の資料は学校にはほとんど残っていない。そのため、今回の展示の多くは、同校の卒業生からなる校友会生から寄贈・提供された資料が中心だ。

展示は、「香蘭女学校の創立に向けて」(1886〜88)、「麻布区永坂町校地」(88〜1912)、「芝区白金三光町校地」(12〜41)、「荏原(えばら)区平塚校地・九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)」(41〜48)、「品川区旗の台校地」(48〜88)、「現在の香蘭女学校」(89〜2018)の年代ごとに分けられている。写真・絵葉書を中心に、公文書、校史を手書きで記録した巻物、校舎平面図、卒業証書、通知書、授業料納入袋なども展示されている。

香蘭女学校教育簿。戦時中のキリスト教育の禁止により、校訓にあるペテロ前書2:17が墨で塗りつぶされている=18日、立教学院展示館(東京都豊島区)で

戦時中、教育方針からキリスト教主義の理念が消されていたり、校訓の聖句が墨で塗りつぶされたりしている資料から、当時のキリスト教主義学校が置かれた苦境について考えさせられる。また戦後、九品仏浄真寺境内での授業風景や遊ぶ様子を写した写真や、終戦直後から毎日持ち歩いていた当時の聖歌集も展示されている。

「現在の香蘭女学校」のブースには、黒柳徹子さんや上橋菜穂子さんから寄せられたお祝いのメッセージも展示されている=18日、立教学院展示館(東京都豊島区)で

同校で1920年、日本におけるガール・スカウトが発足したこと、さらに戦後はタレントの黒柳徹子さんや、『精霊の守り人』で知られる作家の上橋菜穂子さんなど、卒業生が社会で活躍していることも紹介される。

香蘭女学校第15代校長の髙田智子さん=18日、立教学院展示館(東京都豊島区)で

昨年3月まで校長を務めていた髙田智子さんに話を聞いた。

「私は香蘭で中高6年間を過ごし、立教大学に進学。卒業後は英語教師として香蘭に戻り、45年間、生徒の指導にあたってきました。

『咲くはわが身のつとめなり』というのは、校歌の一節です。この言葉は、一人の人間が花を咲かせる生き方を示しています。香蘭で過ごす6年間は10代の多感な時期です。その大切な時に身につけてほしいのが、『あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ』(伝道者12:1、新改訳)という聖句。礼拝を守り、祈りを大事する中で、一人一人を大切にし、リーダーよりも支え合う人を作ることを目指してきました。伸び伸びとした優しさを持ち、自然を愛する心を育(はぐく)むことは、神様の力、祈りの力だと思います。

旧夏の制服とガール・スカウトの制服。手前は通学カバン=18日、立教学院展示館(東京都豊島区)で

また、香蘭発祥のガール・スカウトは、生き抜く力を身につけることでもありました。130年の間には、火災や戦争など、さまざまな苦難もありましたが、優しさと力強さをもって乗り越えてきました。最近も、東日本大震災のボランティア活動を積極的に行っています。創設に携わった宣教師は、医療や福祉、教育などの奉仕者としてやって来られとことを思い、生徒にも先達者に倣って人に役立つ人になってほしいと願っています」

「咲くはわが身のつとめなり──香蘭女学校130年のあゆみ」
8月1日〜9月28日
平日:午前10時〜午後6時
土曜日:午前11時から午後5時
池袋キャンパス・メーザーライブラリー記念館旧館2階(東京都豊島区西池袋3−34-1)
事前申し込み不要・参加費不要
詳細はホームページで。

 






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