4月30日「思春期は贈り物」


 思春期は大人へと成長する過程を特別な形で鮮明に示している。思春期にある人の親は、思春期という特殊なプロセスにどうしても巻き込まれる。思春期の子どもと一緒に過ごす中で、親たちは一人ひとり神からの贈り物を受け取ることになる。その贈り物は、活力ある実験室である。その実験室では、成長過程にあるその子どものデータが集められ、そのデータを自分なりに色々試し、神の栄光を見つめる信仰の行為として思春期を再体験することが出来る。しかし、思春期の子どもと一緒にいる親たちは、いつもそのように受け止めることが出来るわけではない。むしろ、思春期を過ごす子どもについて不満を持つことが少なくない。「思春期は自然と治る」「思春期は7年か8年で終わる」という専門家の言葉を信じて、ストイックに忍耐して過ごすのである。せっかく「実験室」がそこにあるというのに、その扉を開けようとせず、その「実験室」に決して入ることもしない。

 しかし、「思春期は賜物」である。神からの賜物である。不満を募らせ、ストイックに耐えることで、思春期の大切な時間を浪費すべきではない。敬虔(けいけん)な考えと忠実な生活を何世紀にもわたって積み上げて立証されたキリスト教の強い確信がある。それは、「わたしたちの体と世界の内にある一つひとつは全て、聖なるものを組み立てる原材料として神が与えた恵みの賜物である」という確信である。自然の中 ―― わたしたちの肉体や感情の中、わたしたちの外的世界や遺伝子の中 ―― にあるものの内、何か一つとしてこの恵みから外れるものはない。もちろん、思春期も例外ではない。

わたしたちの間では、いつまでも乳幼児のままでいないようにしなさい。森の中の赤ん坊を、そのままにいさせておいてはいけない。いつまでも詐欺師が簡単に手玉に取るような「子ども」のままでいさせてはいけない。わたしたちが成長し、あらゆる真実を知り、愛をもって語ること ―― つまり全てにおいてキリストのようになること ―― それこそまさに、神が望まれるところである。
―― エフェソの信徒への手紙4章14~15節

63db463dfd12d154ca717564出典:ユージン・H.ピーターソン『聖書に生きる366日 一日一章』(ヨベル)
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