「ガウディとサグラダ・ファミリア展」6月13日から東京国立近代美術館で開催

企画展「ガウディとサグラダ・ファミリア展」(主催:東京国立近代美術館ほか)が東京国立近代美術館(東京都千代田区)にて、6月13日(火)から9月10日(日)まで開催される(会期中一部展示替えあり)。その後、滋賀・佐川美術館と愛知・名古屋市美術館に巡回する。

スペイン、カタルーニャ地方のレウスに生まれ、バルセロナを中心に活動した建築家アントニ・ガウディ(1852−1926)。バルセロナ市内に点在するカサ・ビセンス、グエル公園、カサ・バッリョ、カサ・ミラ、サグラダ・ファミリア聖堂など世界遺産に登録された建築群は、一度見たら忘れることのできないそのユニークな造形によって世界中の人々を魅了し続けている。

サグラダ・ファミリア聖堂、2023 年 1 月撮影  © Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

今回開催される展覧会は、長らく「未完の聖堂」と言われながら、いよいよ完成の時期が視野に収まってきたサグラダ・ファミリア聖堂に焦点を絞る。

サグラダ・ファミリア(正式名=聖家族贖罪教会)聖堂の建設は、新型コロナウイルスの影響で一時中断していたが、2020年の秋には再開。翌年の12月には、聖堂の中央に位置する6つの塔のうち、頂点に星を頂くマリアの塔が完成、続く22年12月には4つの福音書作家の塔のうち、ルカとマルコの塔が完成した。建設作業は現在も進んでおり、残るマタイとヨハネの塔は23年11月に、聖堂中央の最も高い塔となるイエスの塔は26年までの完成を予定している。

ガウディは、サグラダ・ファミリア聖堂について図面のみならず膨大な数の模型を作ることで構想を展開していった。その独自の制作過程や、多彩色のタイル被覆(ひふく)、家具、鉄細工装飾、そして彫刻を含めたガウディの総合芸術志向にも光を当て、100点を超える図面、模型、写真、資料に加え、最新の技術で撮影された建築映像も随所にまじえながら、時代を超えて生き続けるガウディ建築の魅力に迫っていく。

《ガウディ肖像》1878 年、レウス市博物館

その中では、140年を超えるサグラダ・ファミリア聖堂の建設プロセスが明かされていくことになる。この聖堂建設プロジェクトは誰の発案ではじまり、その後どう変遷したのか。模型を修正しながら聖堂の形と構造を探ったガウディ独自の制作方法に注目するとともに、長い建設の過程でガウディ没後にプロジェクトを引き継いだ人々の創意工夫にも光を当てる。

外尾悦郎《歌う天使たち》 サグラダ・ファミリア聖堂、降誕の正面に 1990-2000 年の間仮設置、作家蔵  写真提供:株式会社ゼネラルアサヒ

また、「総合芸術」としてのサグラダ・ファミリア聖堂の豊かな世界も紐(ひも)解く。ガウディはサグラダ・ファミリア聖堂において、聖書の内容を表現する彫刻の制作に取り組むほか、外観・内観の光と色の効果や、建物の音響効果にも工夫を凝らし、諸芸術を総合する場として聖堂を構想していたとされる。同展では、ガウディの彫刻術にも焦点を当てることで聖堂の豊かな世界へと誘う。

サグラダ・ファミリア聖堂内観  © Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família

さらに、サグラダ・ファミリア聖堂の壮麗な空間を空中散歩できるという楽しい特典もある。NHKが撮影した高精細映像やドローン映像を駆使して、肉眼では捉えられない視点で聖堂を散策。ステンドグラスを通過した光が聖堂内を彩る景色の変化も圧巻だ。マリアの塔が完成し、いよいよイエスの塔の建設という最終段階に向かうサグラダ・ファミリア聖堂の現在の姿を最新の映像をとおして伝える。

開館時間は、前10時~後5時 (金・土曜日は後8時まで)※入館は閉館の30分前まで。休館日は月曜日(ただし7月17日は開館)、7月18日(火)。 観覧料は、一般2,200円(前売2,000円)、大学生1,200円(1,000円)、高校生700円(500円)、中学生以下、障がい者手帳ご提示の方とその付添者(1人)は無料。前売券は6月12日(月)まで販売。詳しくは、展覧会公式サイトまで。

 






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