「日本のマザー・テレサ」緒方貞子さん帰天、92歳

 

日本人初の国連難民高等弁務官として難民問題などに尽力した緒方貞子(おがた・さだこ)さんが22日に帰天したことが29日、分かった。92歳。葬儀は29日午後、カトリック田園調布教会(東京都大田区)で営まれた。聖心女子大の後輩で、長年親交のあった上皇后美智子さまも弔問に訪れた。

(写真:World Economic Foru)

緒方貞子回顧録』(岩波書店)によると、1927年、東京都生まれ。曽祖父は元首相の犬養毅。外交官である父親の転勤のため、幼少期を米国サンフランシスコやポートランド、中国の福州や広東、香港などで過ごす。小学校4年生の時に帰国した後、カトリックの聖心女子学院に転入。48年、新学制になった聖心女子大学文学部英文科に第一期生として入学した。同期生に須賀敦子がいる。初代学長エリザベス・ブリット(米国聖心会シスター)に大きな影響を受け、在学中、カトリックの洗礼を受けた。その後、米国ジョージタウン大学で国際関係論の修士号、カリフォルニア大学バークレー校で政治学博士号を取得。

74年、国際基督教大学准教授、80年、上智大教授に就任。76年には、日本人女性として初の国連公使に起用された。その後、国連人権委員会の日本政府代表などを務め、91~2000年、国連難民高等弁務官として、イラクのクルド人やルワンダ難民の支援などに取り組んだ。01年からアフガニスタン復興支援総理特別代表、国連有識者ハイレベル委員会委員などを歴任。03~12年、国際協力機構(JICA)の初代理事長。アフガンや南スーダンなど途上国支援に尽力した。

 






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