戦後77年 日本聖公会「8・15 平和メッセージ」 戦争が起きない、起こさない努力を

日本聖公会(本部:東京都新宿区)は、77回目の終戦の日を迎えるにあたり「8・15 平和メッセージ」と題した声明を、首座主教と正義と平和委員会委員長の連名で発表した。

「主の平和をお祈りします」で始まる声明は、77年前の戦争によって、人々の日常生活と平和は失われ、自由、人権、信仰も制約されたことを振り返り、中国、アジア、 太平洋諸国を含めると 2,5000万人を超える人たちが戦争の犠牲となり、今なお悲しみや被害は続いていることを伝える。そして日本は、その多大な犠牲と被害を与えた反省の上に、戦争を放棄した恒久平和、国⺠主権、基本的人権 の尊重、⺠主主義などを掲げた日本国憲法を作成し、平和な世界の実現を目指してきたことを明言する。

その一方で、有事に備えた防衛費の拡大や、平和憲法の改憲などが話題に上がっている現在の状況を憂慮する。これまで日本聖公会が「わたしたちを平和の器にしてください」と祈ってきたことを伝え、今問われていることは、平和への決断であり、「必要なのは、戦争が起こらない、起こさない努力をすることだ」と力を込める。また、戦争になれば弱い立場にある人が真っ先に被害を受けることにも言及。最後に、「世界平和を祈り、平和の器として歩む 決意を新たにしましょう」と呼びかけ、次の御言葉で結んでいる。

「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、 世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」 (ヨハネ による福音書14章27節)

以下、声明全文。

2022 年 8 月 15 日

主にある皆様へ

日本聖公会首座主教 主教 ル カ 武藤 謙一
正義と平和委員会 委員⻑ 主教 ダビデ 上原 榮正

8.15 平和メッセージ

主の平和をお祈りします。
2022 年 8 月 15 日、日本は 77 回目の終戦記念日を迎えます。今、世界中の人々が平和を祈願して います。2 月 24 日ロシアのウクライナへの侵攻によって始まった戦争が今も続いているからです。 ウクライナを始め世界各地で起きている戦争、紛争が一日も早く終結しますようお祈り致します。

1931 年 9 月 18 日、日本軍の独走で満州事変が起こります。以来戦場をアジア、太平洋に拡大し、1945 年 8 月 15 日太平洋戦争が終結するまで 15 年に及ぶ⻑い戦争を行い、多くの被害や犠牲を出しました。 人々の日常生活と平和は失われ、自由、人権、信仰も制約されました。戦争犠牲者は中国、アジア、 太平洋諸国を含めますと 2,500 万人を超えると言われます。戦後 77 年が過ぎても、戦争の悲しみや 被害は続いています。

アジア・太平洋諸国の人々と日本住⺠に多大な犠牲と被害を与えた反省の上に、日本は人類の平和と 世界との協和を願い、天皇中心だった明治憲法から、戦争を放棄した恒久平和、国⺠主権、基本的人権 の尊重、⺠主主義などを掲げた日本国憲法を作成、平和な世界の実現を目指して来ました。

しかし、ウクライナとロシアとの戦争勃発、北朝鮮の繰り返されるミサイル発射、尖閣諸島周辺での 中国船舶の領海侵犯、中国軍の軍備増強、台湾有事の懸念、北海道周辺でのロシアの軍事演習などを理 由に、憲法を改憲し、9 条への自衛隊明記、国防力強化のためにと防衛費を GDP(国⺠総生産)の2% への倍増などが話題になっています。

日本聖公会は 1995 年の宣教協議会以来、「わたしたちを平和の器にしてください」と祈ってきました。 今問われていることは、平和への決断です。憲法を改憲し、防衛予算を増額して軍備を増強し、戦争に 備えるのか、あるいは平和の創造のために、国際社会に訴え、軍備を縮小し、核を無くし、戦争が起こ らない、起こさない努力をするのかです。

戦争になれば、先に被害を受けるのは女性、子ども、老人、貧しい人、心身に障害のある人、差別や 偏見の目で見られている弱い立場の人たちです。イエスさまは私たちに「あなたがたに平和があるよう に」と「キリストの平和」を与えて下さいました。罪は外から心に入り、心を騒がし争いを起こします。 「主の平和」は心の内から始まり、外へと働き平安にします。世界平和を祈り、平和の器として歩む 決意を新たにしましょう。

「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。わたしはこれを、 世が与えるように与えるのではない。心を騒がせるな。おびえるな。」 (ヨハネ:による福音書14:27)

主に在りて。

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