1月8日「その人たちは神の子と呼ばれる」

「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイ5:9)

人はだれでも、他者との出会いを大事にし、その関係を良く保ちたいと願う。しかし、近い人であればあるほど、良い関係を保つことが難しく、不和や対立のために苦しむのが人間の現実である。人と人とが和合する平和はどこから来るのだろうか。

見せかけではない真の平和は、私たちの本性からは出てこない。それは神から来る、と聖書は語る。神は、ご自身に敵対し続ける人間を滅ぼして当然であるのに、御子(みこ)の死によって人間の罪を贖(あがな)い、敵対する人間の罪を赦(ゆる)すと宣言された。「私たちがまだ罪人であったとき、キリストが私たちのために死んでくださったことにより、神は私たちに対する愛を示されました」(ローマ5:8)

イエス・キリストに現れた神の義と愛を知って、心から悔い改め、差し伸べられた神の和解を受け入れる時、私たちのうちに平和が与えられる。神と和解し、神に信頼して与えられる平和がなければ、私たちは人との平和を作り出すことはできない。神を信じない人間は、頼れるのは自分だけである。「あなたがたの中の戦いや争いは、どこから起こるのですか。あなたがたの体の中でうごめく欲望から起こるのではありませんか」(ヤコブ4:1)世界の平和を打ち立てようとされる神は、まず一人ひとりの人間が神と和解し、神の義と愛の支配の中で生きることを求める。そして、神との和解にあずかった者を和解の証人として世に遣わす。平和を実現する者とは、終わりの日に、あらゆるものをキリストのもとに一つにする神の計画を信じて、和解の福音を宣(の)べ伝える者、証しする者である。

内藤淳一郎

内藤淳一郎

西南学院大学神学部卒業後、日本バプテスト連盟の教会で牧会、鹿児島大学哲学科のカトリックの神学の学びから、鹿児島ラ・サール高校でも教える。日本バプテスト連盟宣教室主事、日本バプテスト連盟常務理事を8年間務める。

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