英雄を真に英雄たらしめるのは「敗北」です。

おはようございます。
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◆1867年3月29日 サイ・ヤングの誕生日

先日、日本のプロ野球が開幕し、もうすぐメジャーリーグも開幕しますが、メジャーリーグといえば毎年話題になるのが、その年に最も優れた投手に贈られるサイ・ヤング賞です。昨年はダルビッシュ投手がこの有力候補にあがり話題になりました。この賞を受賞することは投手にとって最高の栄誉とされています。

この賞の名前になっているのが、伝説の名投手で「野球の神様」とまで呼ばれるサイ・ヤングです。本名はデントン・トゥルー・ヤングといいますが、彼の投げる球がまるでサイクロンのようだということで、「サイクロン」を略した「サイ」というニックネームで呼ばれるようになりました。

サイ・ヤングの野球人生はまさに記録ずくめで、815試合に登板し、そのうち749回を完投、511勝をあげました。この数字はどれもいまだに破られていないメジャー記録です。また一方で、被安打7082、敗戦316というのもいまだに破られていないメジャー記録です。「神様」の輝かしい記録の裏には、輝かしくない記録もあるんです。しかしこのことがさらに彼をリアルな英雄としてくれます。

将棋界で2017年に引退した加藤一二三さんも、輝かしい記録の裏に、1180敗という歴代1位の記録を持っています。英雄を英雄たらしめるのは、勝利だけでなく敗北でもあるのだということを思わされます。

本物の神様であるイエス様も、十字架という「敗北」を経験しましたが、その「失敗」こそが世界中の人に救いをもたらしました。イエス様の救いを完成させたのは、数々の奇跡という「勝利」ではなく、十字架という「敗北」なんです。他のどんな奇跡があっても十字架がなければ救いは完成しなかったんです。

「勝利」ばかりに目を向けてしまうことの多い僕たちですけど、「敗北」の価値を見直すことも必要なのかもしれません。

それではまた明日。

 

 

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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