破門されても気にしない! 〜キューバのカストロ議長〜

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◆1962年1月3日 教皇ヨハネ23世がフィデル・カストロを破門

フィデル・カストロさんは「カストロ議長」とも呼ばれたキューバ革命の指導者です。社会主義革命と宗教とは一般的に相性があまり良くないようで、フィデルさんは元々カトリック信徒が多かったキューバ国内で社会主義を徹底するために教会を多く取り壊し、信徒を矯正施設に送り込んだりしました。これに怒った教皇ヨハネ23世はフィデルさんを破門しました。破門というのは簡単に言えば「今日から君をキリスト教徒として認めない!」という宣言のことです。しかしフィデルさんは「僕はもともと神様なんか信じていないんだから気にしなーい」という態度だったそうです。そりゃそうですよね、信じていない人に「君を信徒と認めない!」と言ったって「はい、そうですが何か?」という話ですものね。中世ではこの破門を巡って「カノッサの屈辱」なんていう事件が起きたりと、政治家にとって教会から破門されることは致命的な意味を持ったりもしたのですが、20世紀ともなるとその意味は限定的になってきています。
ところで、1521年の同じ1月3日にも、ローマ教皇から破門を宣言された人がいます。宗教改革の主役、マルチン・ルターさんです。こちらは「自分こそが真のキリスト教信徒である!」と主張していましたから、フィデルさんの場合とは破門の持つ意味合いが違うということになります。

破門というのは、そう滅多に起こることではありません。普通に生きていて破門されることはないでしょうし、たとえ殺人犯であっても教会から破門されることはまずありません。イエス様と人間との関係は大原則として切れることはないんです。

それではまた明日。

横坂剛比古(MARO)

横坂剛比古(MARO)

MARO  1979年東京生まれ。慶応義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWP卒。 キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。2020年7月よりクリスチャンプレスのディレクターに。  10万人以上のフォロワーがいるツイッターアカウント「上馬キリスト教会(@kamiumach)」の運営を行う「まじめ担当」。 著書に『聖書を読んだら哲学がわかった 〜キリスト教で解きあかす西洋哲学超入門〜』(日本実業出版)、『人生に悩んだから聖書に相談してみた』(KADOKAWA)、『キリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『世界一ゆるい聖書入門』、『世界一ゆるい聖書教室』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。新著<a href="https://amzn.to/376F9aC">『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(大和書房)</a>2022年3月15日発売。

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