日本ホーリネス教団 礼拝などの諸集会の再開に向けてのガイドラインを提案

 

日本ホーリネス教団(東京都東村山市)は7日、島津吉成(しまづ・よしなり)委員長(辻堂キリスト教会牧師)と佐藤信人(さとう・のぶと)総務局長(仙台南光沢教会牧師)の連名で「新型コロナ・ウイルスの感染拡大を受けてのお知らせ」第8報を発表した。礼拝などの諸集会を再開するのに向けて、一つのガイドラインを提案したものだ。政府は13日、39県で緊急事態宣言を解除する方向で最終調整に入っており、14日には決定する。

島津吉成委員長(辻堂キリスト教会のホームページから)

同教団では、緊急事態宣言が出されて以降、教会に集まるかたちでの礼拝を中止するよう、全国の所属教会に強く要請してきた。今回、13の「特定警戒都道府県」(北海道、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、石川、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡)では、これまでと同様、教会堂に集まるスタイルでの諸集会の開催を控えることを指示する一方、それ以外の地域(34県)では、各自治体の要請に従うことを前提としながら、次のような提言を伝えた。

4日に政府が発表した「新しい生活様式」では、比較的少人数の集会などは「感染防止策を講じたうえで、リスクの態様に十分留意し適切に対応する」とされていることから、礼拝堂で距離をとるのが難しい場合は、交代制で出席人数の制限を行ったり、礼拝を複数回行ったりするなど、「3つの密」を避ける対策を提案。

また、礼拝などの再開時期についても、教会に集まるリスクを懸念する未信者の家族や、「教会がクラスターの発生源になるのではないか」という不安を持たれないよう、近隣住民に配慮した上で決めることが望ましいとした。その上で、活動再開後もしばらくの期間、教会堂に集まる礼拝形式と、インターネットなどを利用した自宅での礼拝形式を並行して行うようにと述べている。

さらに教会財政が悪化する中で、同教団ではすでに、牧師謝儀の支給が困難になっている教会への支援を打ち出してきたが(第6報)、それを優先するために、要望のあった「本部費などの減額」については現時点では行わないとした。

第8報の全文は以下のとおり。

主の聖なる御名をたたえます。

報道にありますように、新型コロナ・ウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の期間が、当初の今月6日から31日まで延長されました。その一方で、13の「特定警戒都道府県」以外の34県については、自粛が少し緩和され、感染防止対策を徹底した上で、社会・経済活動の再開を一部容認するとともに、緊急事態宣言の解除の前倒しの可能性も検討されています。

この発表を受けて、皆さまの教会におかれましても、礼拝等の諸集会の再開についてどのように対応すべきかを考えておられることと思います。しかしながら、現時点での感染状況は各都道府県によって大きく異なりますので、教団として全国一律の対応をお願いすることは難しい状況です。そのため、各自治体からの要請に沿う形で、それぞれの教会で適切に対処していただく必要があります。

そのような前提のもとで、それぞれの教会で考えていただくための参考として、活動再開に向けての一つの〈ガイドライン〉を下記のようにご提案いたします。なお、ここに提示しますのは、政府や各自治体からの要請を踏まえながら、牧会的な配慮に基づいた提言であるとご理解いただきたいと思います。

1 「特定警戒都道府県」について

・13の「特定警戒都道府県」につきましては、これまでと同様の制限が求められていますので、教会堂に集まるスタイルでの諸集会の開催は引き続き控えていただくようお願いいたします。

・活動再開の時期につきましては、政府による自粛要請が解除された後でご検討くださるようお願いいたします。

2 それ以外の地域(34県)について

・「特定警戒都道府県」以外の地域につきましては、各県の判断によって制限の緩和が始まります。その大枠につきましては、各自治体の要請に従ってくださるようにお願いいたします。

・5月4日に政府が発表した「新しい生活様式」の「イベント」の項目では、すべての都道府県において、①クラスターが発生するおそれがあるイベント、②「3つの密」がある集まり、の開催は引き続き自粛するように要請されています。一方で、「特定警戒都道府県」以外の34県では、比較的少人数のイベントなどは「感染防止策を講じたうえで、リスクの態様に十分留意し適切に対応する」とされています。

・これらを踏まえて、集会を再開する場合には以下の点を十分にご留意くださるようお願いします。

(1)「3つの密」を避ける対策をとる

①換気を行う(可能であれば2つの方向の窓を同時に開ける)

②人の密度を下げる(マスクを着用した上で、互いの距離を1~2メートル程度あける。礼拝堂の広さの制限から、十分な距離を保てない場合には、交代制で出席人数の制限を行ったり、礼拝を複数回行ったりするなどの対策をとる)

③近距離での会話や発声などを避ける(賛美を控えたり等、声の大きさに注意したりする)

(2)再開時期の判断・制限解除の時期が各自治体で異なりますので、いつから再開するかは各教会の判断に委ねられます。その時期を決定する際、特に次の2点を十分に考慮していただきたいと思います。

①教会員のご家族の気持ちに配慮する

・教会員は礼拝等の再開を心待ちにしていることでしょう。しかしながら、未信者のご家族の中には教会に集まることのリスクを心配している方々が多くおられます。そのため、教会員に対して礼拝出席を見合わせるように忠告する家族もおられるでしょう。これは、教会員の信仰そのものを否定しているわけではなく(迫害などではない)、教会員の健康を心配しての制止です。そこで、ご家族が心配している教会員に対しては、集会出席をもう少し遅らせるように勧めることもお考えください。

②近隣住民の不安に配慮する

・教会の近隣住民の中には、教会が活動を再開することにより、そこがクラスターの発生源になるのではないかと不安に感じている方々がおられるものです。根拠のない不安ではありますが、そのような近隣住民の不安を無視して性急に活動を再開することは、教会にとってプラスにはなりません。そのような不安を少しでも解消するために、外の掲示板等に教会の活動再開についての考え方や留意点等の情報を提示するとともに、再開時期を世間一般のイベントよりも少し遅らせるような対応が望ましいと考えられます。

(3)その他

・上記のような諸事情を考えると、活動再開後もしばらくの期間は(恐らく「3つの密」の制限が解除されるまで)、教会堂に集まる礼拝形式と、インターネット等を利用した自宅での礼拝形式と、この二つのスタイルを平行して行うハイブリッドスタイルで礼拝等を続けて行くことをご検討くださるようお願いいたします。

・愛餐会等の飲食につきましては、飛沫感染のリスクが非常に高くなりますので、引き続き控えてくださるようお願いいたします。

・礼拝以外のその他の集会(CS、祈祷会等)につきましても、上記と同じような点に留意しつつ、体制が整った集会から、順次再開していただいてよろしいかと思います。

3 教会財政の悪化への対応について

・すでにお知らせしておりますように、礼拝を始めとする諸集会の休止により、各教会におかれましては財政状況に深刻な影響が出ているものと思います。そのために、「本部費等を減額して欲しい」との声も届いています。

・教団としましては、財政的な余裕があれば、本部費の減額をも検討したいところですが、そうなりますと、最低謝儀さえ支給できなくなった教会を支援するための財源がなくなってしまうことが予想されます。現時点では、各教会でどれほど財政状況が悪化するのか、緊急謝儀支援を申請する教会がどれだけ出てくるか全く分からない状況です。

・そこで、限られた教団の資金を最も必要なところに注ぐためにも、現時点では本部費の減額は行わず、最低謝儀の支給のための援助を優先したいと考えています。どうぞご理解くださいますようお願いいたします。

・なお、「牧師謝儀支援規程」に基づく《牧師謝儀の最低額》の支給が困難になっている教会に対する支援につきましては、【第6報】及び「牧師謝儀支援規程」をご覧くださるようお願いいたします。申請の際には、添付しました「新型コロナ・ウイルスの影響による資金援助申請書」(改定版)をご利用ください。

感染拡大が抑えられつつあると報道されていますが、今なお厳しい戦いが続いています。医療従事者をはじめとして、このために懸命に働いておられる多くの方々の働きが守り支えられますように。

皆さまの教会の上に、主の守りと祝福がありますようお祈りいたします。

主にありて

日本ホーリネス教団は、戦前の日本ホーリネス教会(1917年に中田重治が創設した)の流れを汲む教団。戦時中、日本基督教団として合同されたが、その信仰が天皇制を否定するものとして解散させられた。戦後、教職に復職した伝道者らが日本基督教団から49年に離脱して設立された。聖書信仰、四重の福音(新生・聖化・神癒・再臨)、聖潔(きよめ)を旗印とする。現在、全国に152の教会がある。坂戸教会(郷家一二三牧師)、辻堂教会(白鳥彰牧師)、聖書学院教会(斉藤善樹牧師)、八王子教会(高橋誠牧師)の礼拝がネット配信されている。

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