【世界食料デー2021】滋賀大会がオンラインで開催、ボリビア、フィリピンからの現地報告も

ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構、清家弘久理事長)は、10月1日~11月30日を「2021世界食料デー月間」とし、飢餓啓発や募金運動を行う世界食料デー大会を全国10地区(都道府県)15会場で開催している。その1つ、滋賀大会(主催:滋賀大会実行委員会)が、10月16日、国連が制定する「世界食料デー」当日、動画配信サイト「ユーチューブ」を使ったオンラインで開催された。

司会を務めたのは、大津福音自由教会の柳橋宏祐牧師。途中、ゴスペル音楽などのミニコンサートなどを挟みながら、ボリピアとフィリピンに派遣されているハンガーゼロ駐在スタッフによる現地報告と、講演が行われた。

ボリビアからの報告は、現地で15年にわたって、子供を中心にした地域の自立支援活動を続けている小西さゆりさんが行った。人口135万人のボリビアは、貧富の差が激しく、政治的にも民族的にも紛争が絶えない国だ。新型コロナウイルス感染症の拡大は、経済はさらに沈滞し、困窮家庭を急増させた。また、田舎地域の間違った価値観から、子どもに適切な治療を受けさせず、その結果16歳の少女が新型コロナで亡くなってしまったという。小西さんは、次のように訴える。

「悪しき習慣で最も苦しむのは子どもたちです。周囲の大人たちの間違った価値感を変革し、自立した生活を送ることができれば、子どもたちは心身ともに健やかに成長できます。一人の子どもの人生に深く関わっていくその中で、一人の子どもが、その家族が、希望を持って歩み出すことができるこの働きに、皆さんも参加し、支援の輪を広げてください」

フィリピンからの報告は、2008年より東ミンドロ州で活動するHOLPFI事業運営責任者の酒井保さんと酒井慶子さんが行った。フィリピンでは、2020年3月より始まったロックダウンが、現在も継続されている。そんな中で、支援を行う酒井さんたちは、現地のリーダーとの考え方に違いがあることが分かったという。そこで、自分たちとの関係のあり方を考えてもらう時間を持ち、それをきっかけに信頼関係が強まったと話す。

酒井さんたちは、「ビジョン・オブ・コミュニティ」を掲げ、地域の人たちが自分たちの将来を思い描き、それを地域主導で行い、地域の人々が祝福されることを願って活動している。特に力を入れているのは、人材を生み出すための教育支援で、高等教育まで学業を継続できるよう親に焦点を当てて支援を行ってきた。子どもが教育を継続するためには親の理解が不可欠だからだ。さらに、地域の親同士が励まし合い、地域全体で子どもを学校に送り出すことを目指す。この働きは、今後、西ミンドロ州にも広げていくという。

現地からの報告に続き、ハンガーゼロの田村治郎さんが講演した。田村さんは、啓発事業部巡回スタッフとして活動地の報告や学校等での講演会をとおして、飢餓や貧困に苦しむ現地の人たちと日本国内の人たちとの橋渡しの働きに従事している。この日は、世界食料デーのテーマである「イマジネーション 思い描こうコロナ禍の向こう側の世界」から、イマジネーションを働かせてほしい2つのポイントについて語った。

飢餓人口は、約8億1000万人で、年間900万人もの人が亡くなっている。また、適切な食事をとれない人は約30億人にのぼり、コロナ禍はこの状況をさらに悪化させてしまった。その一方、日本は、コロナ禍で社会が疲弊しつつも、食料廃棄量は世界でワースト6位、アジアの中では1位だ。同じコロナ禍の中でも飢えに苦しむ途上国と、豊かな日本での日常は明らかに違う。田村さんはこのような現実を踏まえ、こう伝える。

お金さえ払えば無駄にしてもいいのでしょうか、そんなことはありません。世界とつながっている今、私たちの小さな出来事が、世界に大きな影響を与えることにつながります。私たちもコロナ禍で先を見通せない中ではありますが、途上国の人は今日生きられるかの瀬戸際にいます。イマジネーションを働かせ、それらの人たちのことを想像してほしい。全ての人々が、「今日も生きていてよかった」と生きることに喜び、感謝できる人生を送ることができればと願います。

 

 

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