「ハンガーゼロ」と日本国際飢餓対策機構が団体名とロゴを刷新

 

日本国際飢餓対策機構による記者会見が6日、お茶の水クリスチャン・センター(東京都千代田区)で開かれ、団体名を「ハンガーゼロ」に統一することが明らかにされ、同時に新しいロゴも発表された。

清家弘久理事長=6日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)で

同機構は1981年に発足。「飢えた者にはあなたのパンを分け与えよ」(イザヤ58:7)という聖書の言葉から「Food for the hungry」と名づけられた。非営利の民間海外協力団体(NGO)として、世界の貧困・飢餓の解決のため、「こころとからだの飢餓」に応える働きをしてきた。シンボルマークの魚(イクスース)は「心の糧」、麦は「肉の糧」を表す。

現在までに、アジア22カ国、アフリカ25カ国、東ヨーロッパ4カ国、中南米8カ国、オセアニア3カ国など、六十数カ国で飢餓対策機構の活動をしてきた。今後も世界のパートナー団体と共に、世界の飢餓に苦しむ国々を支援していくという。

新デザインを手がけたのは、ロゴス・デザインの長尾優(ながお・まさる)氏。長尾氏はデザインにかける思いを話した。

「Hunger と Zero の間には距離があり、そこには『緊張』が横たわっている。Hunger は世界の現状。それに対して Zero は、そのことの否定。Hunger を孤立させてはいけない。そして、その架け橋になろうというアクションへの思いを込め、緊張関係と連続性の相反するものを反映させた。また『Z』は、向こう側へドアを開こうとしている形に。『飢餓ゼロへの挑戦』という、扉を開けるイメージをデザインした」

新しいロゴマークも長尾氏が手がけた。FH(Food for the Hungry)やFHIF(Food for the Hungry International Federation)との協力関係を意識して、双方のロゴマークにもデザインされている魚と麦を新デザインにも取り入れた。

長尾氏は、デザインを作る時のコンセプトを次のように話す。

「私たちの日常にあるさまざまな部分は、地球の裏側ともつながっている。たとえば、料理をするのに鍋をかき回しているとする。地球の反対側でも同じように、肉の糧で体を養おうと、まだ見ぬ誰かが鍋をかき混ぜる。小さな台所は、世界に向かって開かれた秘密の扉。身近なところから始めることのできる出会い、共に生きる喜びが地上にはあふれている。そのことを表現したかった」

「ハンガーゼロ」と名称は変わるが、理念や活動内容などに大きな変わりはない。新しいデザインと国内における団体名の刷新により、さらに多くの人に活動を知ってもらい、支援を募ることが今回の発表の大きな目的だ。

今後は、配布物でも「ハンガーゼロ」をアピール。ホームページも新たに加え、9月初旬のオープンを目指して準備している最中だ。

広報担当の鶴浦弘敏(つるうら・ひろとし)氏はこう語る。「国連も2030年までに、世界の飢餓をなくすことを目標としている。我々もまさにこの目標に向かって、よりいっそうの努力をしていく」

会見後、清家弘久(せいけ・ひろひさ)理事長は、本紙のインタビューに対して次のように答えた。

「今まで、さまざまな方からご支援をいただき、ここまで活動してきた。感謝している。しかし、これからさらにステップアップするために、少しのシフトチェンジが必要だと考えた。それが、今回の団体名とロゴの変更。我々の活動は、時代と共に変化する。理念は変わらないが、世界で起こる飢餓や貧困も、場所や原因が異なる。また、国内においても災害が後を絶たない。これからも『わたしから始める、世界が変わる』をスローガンに活動を進めていきたい」

質疑応答の後、ハンガーゼロ親善大使でピアニストの小堀英郎(こぼり・ひでお)氏の演奏があった。

 






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