教会暦(典礼暦)の頂点は、西方教会ではイースターであり、東方教会ではクリスマスです。罪人を救うために十字架で死なれた救い主の物語が中心的な希望だと、西方教会では考えています(「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」ヨハネ3:16)。一方、東方教会では、神が受肉されたという事実に希望を置くため、クリスマスを最高峰としています(「言(ことば)は肉となって、わたしたちの間に宿られた」同1:14)。
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ただしどちらも、レント(イースターへの期節)とアドベント(クリスマスへの期節)のお祝いは神聖であり、クリスチャンがしっかりとした信仰生活を送るために、それは昔から優先的に守られてきました。
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12月1日の日曜日からアドベントが始まります。ほとんどの場合、アドベントに入ってから、「もうアドベントなのか」と思うことが多いでしょう。しかし残念なことに、その時はすでに有意義なアドベントを経験するには遅すぎるのです。
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(写真:Airman 1st Class Jessica Evans)
アドベントを守る計画
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ほんのスプーンひとさじの計画が私たちの霊的生活を変えることに、私はいつも驚かされています。アドベントを守るのには、多くの創造的な方法があります。わが家でやっている一例をご紹介しましょう。
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家族でクリスマスを覚えるために、毎晩、いちばん下の子どもが寝つく前に家庭礼拝を持ちます。簡単な礼拝ですが、目的がしっかりしているので、息子たちはそれを楽しんでいるようです。
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過去数年間のわが家の家庭礼拝は次のようなものでした。
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(写真:Matti Blume)
1 雰囲気を整える……息子の一人が、シンプルなアドベント・クランツのろうそくに火を灯します。次に、4本のろうそくのテーマ(希望、平和、喜び、愛)のいくつかの側面について話し合います。たとえば、「希望」の週には毎晩、「なぜ羊飼いのように仲間はずれにされている人たちはイエスに希望を持っているの?」、「博士たちのような他宗教の人々がイエスの物語に参加することが、どうして希望を示すことになるんだろう」と尋ねます。
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2 読む……『アドベントの本』を毎日読みます。新しいドアを一つずつ開き(本の各ページは趣のあるドアです)、アドベント・ストーリーの一部を読みます。時々、以前のドアはどんなものだったかを最初に振り返りました。息子たちが成長するにつれて、本を読むことに興味を持つようになります。また、息子たちが小さかった時には、私たちはトントンとドアを叩いたり、本の中に隠れている動物たちを探したりと、ゲームの要素も加えました。
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3 しきたりを創造する……妻が少女の頃から大切にしてきた古いフェルトのクリスマス・ツリーに、息子の一人が小さな飾りをつけます。
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4 賛美……「飼いばおけにすやすやと」(『讃美歌21』269番)のような、子どもたちの年齢に応じたクリスマス・キャロルを歌います。
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5 閉会……息子の一人がろうそくの火を吹き消します。
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全体としておよそ15分間の礼拝です。それは、主イエスがこの世に来られたことが私たちにとってどうして重要なのかを分かち合うのに十分な時間です。また、疎外された人々を神様がどんなに愛しておられるかや、クリスマスの希望に満ちた期待をふくらませることについても話し合います(目先の欲求を我慢する「満足遅延耐性」の実践です)。また、近所の子どもや同居人(私たちはシェアハウスに住んでいるので)、泊まり客も誘います。
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祝うためのたくさんの方法
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いちばん上の息子は今10歳です。彼と兄弟たちは、アドベント・シーズンの重要な霊的テーマをより深く思い巡らす準備ができています。
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今年は、息子たちがいつでも好きな時に読むことができるよう、アドベントの本をコーヒー・テーブルに置いておきます。そして夜の家庭礼拝では、その本を使う代わりに、ヨハネの福音書1章についてゆっくり話し合うため、毎晩1~3節ずつ読んでみるつもりです。
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私たちにはいくつかの願いがあります。
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•息子たちのキリスト理解を深める(イエスとは誰であり、なぜイエスが降誕したのかを理解する)
•聖書についてのより深い質問をする能力を高める。
•重要な聖句を暗記する。たとえば、「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」(ヨハネ1:1)、「しかし、言は、自分を受け入れた人、その名を信じる人々には神の子となる資格を与えた」(12節)、「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た。それは父の独り子としての栄光であって、恵みと真理とに満ちていた」(14節)。
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• Enhance their capacity to ask the Bible deeper questions.
• Encourage memorization of some essential verses of faith: John 1:1, 1:12 and 1:14.
家庭において聖書朗読をしたり暗唱したりするための良い方法を見つけるのに苦労したことを、私は今では恥ずかしく思っています。私たちの信仰の先達が、アドベントのように信仰生活の中にリズムを作ってくれたおかげで、私たちが成長したり、家庭を霊的にはぐくんだりする助けが与えられているのです。
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あなたもやってみませんか
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今がアドベントの準備を始める時です。一人で祝っても、また一緒に祝う人が若くても年上でも、アドベントを守ることはあなたの霊的な経験を深め、あなたの預言的な想像力を広げます。
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家族、教会、その他の集まりでアドベントを祝う時のいくつかのヒントがあります。
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•聖書を読む時間は短く。
•テーマについて互いの意見を話し合う時間を十分にとる。
•五感を取り入れる。匂い(ろうそく)、視覚(画像)、音(音楽)、触覚(古びたフェルトのツリー)と味(クリスマスのクッキーほど、神聖な豊かさを物語るものはありません)。
•愛する人々と経験を共有する。共に住んでいなくても、スカイプなどのテレビ電話で家庭礼拝に一緒に参加してもらうことができます。
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• Save time for either mediation or conversation around the themes.
• Integrate multiple senses: smell (candles), sight (images), sound (music), tactile (like a tired old fel tree) and even taste (nothing says divine-abundance like a Christmas cookie.)
• Share the experience with people you love. Even if you don’t live in a communal household, shared ceremony can be experienced with FaceTime, Google Hangout or Skype.)
これらはほんの一部にすぎません。あなたの創造的な考えをアドベントの対話に加えてみませんか。
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執筆者:トニー・クリズ
本記事は「クリスチャニティー・トゥデイ」(米国)より翻訳、転載しました。翻訳にあたって、多少の省略をしています。
「クリスチャニティー・トゥデイ」(Christianity Today)は、1956年に伝道者ビリー・グラハムと編集長カール・ヘンリーにより創刊された、クリスチャンのための定期刊行物。96年、ウェブサイトが開設されて記事掲載が始められた。雑誌は今、500万以上のクリスチャン指導者に毎月届けられ、オンラインの購読者は1000万に上る。