ハーベスト・タイム・ミニストリーズ インターネット・ミニストリーから見えてくる可能性(後編)

 

ハーベスト・タイム・ミニストリーズ(以下、ハーベスト・タイム)のウェブサイトには月間40万以上のアクセスがある。中でも「メッセージ・ステーション」は、中川健一氏(ハーベス・タイム代表)の講解説教が聞けると評判だ。

ハーベスト・タイム・ミニストリーズ代表の中川健一氏

中川氏は毎週2回の定例会(東京)と、月1回の月例会(大阪)における「聖書フォーラム」で講解説教を語っている。それを音声・動画編集担当のUさんがアップロードしていく。メッセージの長さは約1時間。

「聖書の言葉を理解したい」という人たちが、アップされるのを待ち受けるように聞いてくれる。また、聖書を学ぶための時間がとれない人も、インターネットの「いつでも、どこでも聞ける」という特性を活かし、実際に通勤途中や車の運転中、料理をしながらなど、それぞれのライフ・スタイルに合わせて聞いてくれるという。

教会に行ったことがない人が「3分でわかる!聖書」動画で聖書に興味を持ち、「メッセージ・ステーション」へとステップアップして、「どこの教会に行けばいいのか」と問い合わせてくるケースも増えているとスタッフのAさん。

中川氏は、「分かりやすいメッセージを作ることに、自分の働きのエネルギーのおよそ半分を費やしている」と語る。

「日本人に聖書を引きつけて読むのではなく、ユダヤ人ならどう読むか、そして、聖書が本来言おうとしていることは何かを解説しているから、分かりやすいのだと思います。『字義どおりに、ユダヤ的に聖書を読む』ことが分かりやすさの一番の理由。

もう一つは、常に論理的に考えるということです。米国の神学校で勉強したので、メッセージを作る時、頭の中には英語のキーワードが並んでいて、それを日本語に置き換えるような作業をしています。よく使う3ポイント・メッセージは、3つポイントを単に並べるのではなく、それらが論理的に構築されるように注意しています」

中川氏は一橋大学を卒業後、日本マクドナルドに勤めていたことがあるが、テレビ伝道を始めたきっかけはその時の経験にあった。

「その頃、日本ではまだマクドナルドの知名度は低かったのですが、テレビで宣伝を始めたとたん、売り上げが3~4倍に増えたのです。私は資材部にいて、牛肉やパンの購入計画を立てていたのですが、全部やり直しになってしまいました。その時、『テレビ・メディアってすごいんだな』と本当に思いました。『どうしてクリスチャンはこれを福音伝道に用いないのかな』って」

その後、米国のトリニティー神学校で学んでいた時、当地でテレビ伝道が盛んだったことに刺激を受け、「日本でもやりたい」という思いがさらに強くなったという。

「思いがあると不思議に人脈ができ、資金的援助も来て、数年後にはハーベスト・タイムを立ち上げるところまでいった。そして、24年後にテレビからインターネットへと移行したわけです。メディアは時代とともに変わる。しかし、変わらない福音をどう伝えるか。そのことをいつも考えます。一貫しているのは、福音を伝えること。手段は変わっても、ゴールはゆるぎません」

ただ、ハーベスト・タイムはインターネットに完全に特化しているわけではない。「月刊『ハーベスト・タイム』などの紙媒体での情報提供も重要だと考えています。また、インターネットが利用できない環境にある方には、有料にはなりますが、CDなどを利用していただいたりしています」とスタッフのIさんは言う。

ハーベスト・タイム・ミニストリーズを運営するメンバー

ハーベスト・タイム全体の働きには、インターネット・ミニスリーだけでなく、聖書フォーラムをはじめとする集会やセミナー、通信販売や書籍出版、さらに聖地旅行など、いろいろな分野が含まれている。それは、長い間の働きの中で作られていったものだ。その働きを支えているのがスタッフ一人一人。「うちは優秀なスタッフが揃っています。それぞれの分野で責任を持ってやってくれていますよ」と中川氏は太鼓判を押す。

メンバーに加わって1年目というMさんは、自身の体験を次のように語った。

「4年前に『メッセージ・ステーション』を聞き始め、創世記から黙示録まで聖書をトータルで理解することができるようになりました。そうすると、神様のご計画が何であるかが分かってくるんですね。それまでは、『自分のために神様は何をしてくれるんだろう』という自己本位な信仰でしたが、『神の栄光』という大きなゴールがあって、それを見据えて今の歩みがあると思うようになりました。恵みを取っ替え引っ替えしながら次々に探すのではなく、安定した信仰の歩みになったと実感しています」

 






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