宣教師団17人誘拐、「要求のまなければ殺害」ハイチのギャング団が脅迫

画像:Susan Mohr

カリブ海のハイチで米国の宣教師ら17人を誘拐したギャング団のリーダーとみられる男が、身代金が支払われなければ宣教師らを殺害すると脅迫していることがわかった。21日に公開された映像で確認された。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどが報じた。

紫のスーツ姿で、金の十字架のネックレスを付けた男は「もし求めているものを手に入れなければ、米国人の頭に銃弾を撃ち込むだろう」と述べている。ビデオは動画配信サイト「ユーチューブ」などで拡散されているが、作成日などは不明。米メディアは真偽を確認できていないと伝えている。

宣教師らが所属する「クリスチャン・エイド・ミニストリーズ」はリーダーの発言に対するコメントを控えた。

宣教師らは16日に首都ポルトープランスの孤児院を訪問後、バスで空港に向かう途中にギャング団「400マオゾ」によって誘拐されたとみられている。キテル司法公安相によると、誘拐犯は人質1人あたり100万ドル(約1億1400万円)、合計で1700万ドル(約19億4400万円)の身代金を要求している。ジャンピエール米大統領副報道官は21日、「事態解決に協力するためにあらゆる措置をとる」と述べた。

宣教師団には生後8カ月の赤ちゃん、3歳と6歳の子ども、10代の子ども2人が含まれる。所属団体によると、全員がアーミッシュやメノナイトなど再洗礼派の人々で、米国の6州とカナダ・オンタリオ州から訪れた。

宣教師団の家族は21日、支持者への感謝を伝え、誘拐は同情を示す機会だと述べる声明を発表。「神は我々の親愛なる人々に、敵を愛し、呪ってくる敵を祝福し、憎んでくる敵に善行を行うまたとない機会を与えてくれた」と述べている。

ハイチでは政情不安を背景にギャングが暗躍。人権調査団体CARDHによると、同国では年初から10月16日までに少なくとも782人が誘拐され、そのうち少なくとも53人は外国人だという。身代金目的の誘拐は7月の大統領暗殺後に急増し、10月前半だけで少なくとも119件発生した。400マオゾはバスごと誘拐するなど集団の誘拐で特に悪名高いという。

ハイチで米宣教師ら17人誘拐 ギャング団の犯行を指摘

 






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