悪魔祓いの回顧録を映画化 ホラー映画『ヴァチカンのエクソシスト』7月14日に公開

実在したヴァチカンのチーフ・エクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録を映画化した『ヴァチカンのエクソシスト』(監督:ジュリアス・エイヴァリー)が、7月14日(金)より全国公開される。

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少女に取り憑(つ)いた悪魔と闘う神父の姿を描いた1973年の映画「エクソシスト」(ウィリアム・フリードキン監督)の世界的な大ヒットにより、「エクソシスト(=悪魔祓い師)」という言葉が日本でも知られるようになった。それから50年後の2023年に製作された『ヴァチカンのエクソシスト』は、カトリック教会の総本山バチカンのローマ教皇に仕えた実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父(1925〜2016年)が人間に取り憑いた「邪悪な悪魔」との壮絶な戦いを記した回顧録『エクソシストは語る』をもとにした作品だ。

悪魔に取り憑かれていると訴える人たちの98%は悪魔以外の原因によるもので、心理学見地で説明がつくという。しかし、残りの2%は科学的には解明できない「何か」によってもたらされたものであり、同作品ではその部分を追求していく。

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舞台は1987年7月、サン・セバスチャン修道院。アモルト神父はローマ教皇から、ある少年の悪魔祓い(=エクソシズム)を依頼される。少年の様子を見て悪魔の仕業だと確信したアモルト神父は、若き相棒のトマース神父とともに本格的な調査に乗り出す。やがて彼らは、中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判の記録と、修道院の地下に眠る邪悪な魂の存在にたどり着くーーー

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悪魔に取り憑かれる少年・ヘンリーは、子どものものとは思えないしゃがれ声で卑猥な言葉を母や姉に投げつけ、自らの体を傷つけ愛らしい顔は邪悪なものへと変わっていく。血に染まった鳥を口から吐き出したり、得体の知れないものが迫ってきたりと、ハラハラドキドキさせる映像はまさにゴシック・ホラー映画の王道。ホラー好きにはたまらないエンタメ作品だ。その一方で、クリスチャンにとってはかなり挑戦的な映画といえる。

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そのことを示す一つは、ヴァチカンというカトリック教会の総本山を「権力の象徴・陰謀」というレンズで、エクソシストを語っていること。もう一つは、邪悪な悪魔が取り憑くのは、傷ついて回復されない弱った心だということだ。この映画に描かれる悪魔は、人間の心の乱れがいかに支配されやすいかをよく知っていて、赦し切れていない罪を心の奥から引きずり出し、過去と現在における痛みを映し出していくのだ。また、悪魔が取り憑いたヘンリーに向かってアモント神父が言う「お前の行為も神の許可があってこそだ」という台詞にハッとさせられる。

映画の中で悪魔祓いの儀式に使うのは、十字架、聖水、聖油、祈祷本、そして憑衣された人の首に巻く紫のスカーフ。しかし、悪魔を滅ぼすことができる唯一の武器は聖書の御言葉だ。このことを目にした時、悪魔も人間と同じ被造物であることを改めて実感するのではないだろうか。

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製作総指揮として同作品に携わるのイエズス会の神父のエドワード・シーバート氏は、同作品が信仰を持つ観客に向けた他の映画とはかなり趣が異なっていることを明かし、その上でこう語っている。「祈りの持つ力、悪魔を名指しすること、罪を赦すこと、そして悪を征服すことが信仰の要だと信じてきました。最後に敵が敗北する物語はすべて、最終的には希望の物語です」

主演を務めるのは、映画『グラディエーター』でアカデミー主演男優賞を受賞し、『ビューティフル・マインド』ではゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した名優ラッセル・クロウ。実在したエクソシストを演じるチャンスに魅力を感じたというクロウは、これまでも様々なジャンルに出演してきたが、ホラー作品に主演するのは同作品が初となる。共演は「ドント・ブリーズ」のダニエル・ゾバット、「セーラ 少女のめざめ」のアレックス・エッソー、「続・荒野の用心棒」のフランコ・ネロ。

2023年製作/103分/PG12/アメリカ・イギリス・スペイン合作
原題:The Pope’s Exorcist
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
公式ホームページ

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