中国の「信教の自由」の建前 〜聖職者に「愛国義務」〜

中国で5月1日に施行された宗教聖職者に関する規則で「聖職者は、共産党の指導や社会主義制度を支持しなければならない」「聖職者は宗教の中国化を進める役割を果たす」ことが明記された。また「祖国への熱愛」「宗教的過激思想や外国勢力の侵入への抵抗」が聖職者の義務として挙げられ、「過激主義の宣伝や支援」「テロ活動」などの禁止行為も列挙されている。

中国では政府公認の教会に加え、政府非公認の「家庭教会」「地下教会」などを合わせると8000万人を超えるキリスト教徒がいると言われており、中国政府は近年その弾圧を強めていたが、この新しい規則はその弾圧の背を押すものと言える。

中国の憲法では、少なくとも建前上は「中華人民共和国の公民は宗教信仰の自由を享有する」「いかなる国家機関、社会団体、個人も公民に宗教信仰または宗教不信仰を矯正してはならず、宗教を信仰する公民と信仰しない公民を差別してはならない」「国は正常な宗教活動を保護する」など、信教の自由を認めてはいるが、これはあくまで建前上のものであり、世界的に非難を浴びているチベットやウイグルでの弾圧に加え、キリスト教への弾圧もさらに強まることが予想される。中国が世界的な影響力を急速に強めている中、その中国でのキリスト教弾圧は、隣国である日本のクリスチャンにとっても現実的な脅威であり、注視する必要がある。中国で信仰をともにする兄弟姉妹のために祈りたい。

 

 






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