「公開ミサ再開は早くても6月半ば頃まで」 カトリック東京大司教区の菊地功大司教

 

カトリック東京大司教区の菊地功(きくち・いさお)大司教は26日、同教区の公開ミサの再開について「どんなに早くても6月半ば頃までは、現状を維持せざるを得ません」と自身のブログで述べた。

「緊急事態宣言解除後の教会活動について」という文書を同日に発表し、「緊急事態宣言」解除後も「しばらくは、原則として現状を維持します」と通知していた。

カトリック東京大司教区の菊地功大司教(©古郡美はる)

菊地大司教が日々更新している「司教の日記──東京大司教の日々の活動から」というブログで26日、「緊急事態宣言が解除されましたので、今後について」と題した記事が投稿された。その中で、「東京教区のミサの公開がいつになるのかというお問い合わせをいただいています」と明かしながら、上記のような見解を示した。25日の「緊急事態宣言」解除後の「次の日曜日、聖霊降臨の主日にも、公開ミサはありません」と明言。

なぜ「緊急事態宣言」が解除されたのに公開ミサを再開しないのかについて、「教会にとって最優先なのは……『感染しない』だけでなく、『感染させない』ことでもあります。また社会の中にある組織として、責任ある行動をとらなくてはなりません」と理由を述べ、「ミサの再開に関しては、行政の指導などに従うのではなく教区としての独自の判断をいたします」と伝えた。

その教区の独自の判断については、次のように具体的な目安を示す。「参考になるのは、東京都のロードマップにおけるステップです。これがどれくらいのスピードで次のステップに移動するかを、参考にします。それぞれのステップには、集会の規模についての目安がありますが、基本的にステップ2の100名程度になってから状況を判断するようにしたいと思います。現時点はステップ1で50人程度です」

最後に公開ミサ再開の日時について、「少なくとも公開ミサ再開の10日ほど前にはお知らせできるようにしたいと思います」と準備の期間も配慮して、公示のタイミングを明らかにした。

緊急事態宣言が解除されましたので、今後について」の全文は次のとおり。

緊急事態宣言が5月25日に解除されました。今後についての公示を、本日、教区のホームページに掲載しましたが、以下に再掲します。なお教区ホームページには英訳も掲載されています。

公示に関連して、東京教区のミサの公開がいつになるのかというお問い合わせをいただいています。どんなに早くても6月半ば頃までは、現状を維持せざるを得ません。ですから、次の日曜日、聖霊降臨の主日にも、公開ミサはありません。

先日も申し上げましたが、緊急事態宣言の解除は、安全宣言ではありません。感染症はまだ終息しておらず、専門家は、今後も繰り返して波があるだろうと指摘しています。教会にとって最優先なのは、いのちを守ることであり、つまりは「感染しない」だけでなく、「感染させない」ことでもあります。また社会の中にある組織として、責任ある行動をとらなくてはなりません。

もちろんミサの再開に関しては、行政の指導などに従うのではなく教区としての独自の判断をいたします。そもそもミサの非公開についても、政府などの要請に従って決めたことではなく、専門家との相談の中で、独自に決定したものですし、緊急事態宣言発令以前の2月末に決めたことです。ですから今後も、状況を毎日見極めながら、教区としての独自の判断をいたします。その際に参考になるのは、東京都のロードマップにおけるステップです。これがどれくらいのスピードで次のステップに移動するかを、参考にします。それぞれのステップには、集会の規模についての目安がありますが、基本的にステップ2の100名程度になってから状況を判断するようにしたいと思います。現時点はステップ1で50人程度です。

「典礼はイベントではないから、行政のイベント自粛要請に従う必要はない」という意見もいただきましたが、典礼がイベントではないことは言うまでもなく当然ですし、これまでも、行政の要請に従って判断したわけではなく、独自に判断してきました。問題はイベントかどうかではなくて、感染を避けるため、また感染させないために、どのような行動が最善であるのかの判断基準は、行政が提供するそういった指標ですから、それを参考にするという意味です。

なお、公開ミサの再開にはそれぞれの小教区で、例えば人数制限などの準備が必要です。本日公示した文書にあるとおり、再開できる日時を決定したら即座に公示しますが、状況が流動的ですので、あまり直前にならないように、少なくとも公開ミサ再開の10日ほど前にはお知らせできるようにしたいと思います。

 






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