カトリック新潟教区、非公開の受難の主日・聖なる三日間の典礼・復活の主日のミサの詳細を指示

 

カトリック新潟教区(使徒座管理者:菊地功大司教)は3月30日、「2020年受難の主日・聖なる三日間の典礼・復活の主日について」という文書を発表した。4月5日(日)受難の主日から始まる聖週間の典礼についての指示だ。

新潟教区ではすでに3月25日、4月1日以降も当面の間、20人程度を超える不特定多数が参加する公開のミサを原則として中止するとともに、「聖なる3日間」を含む聖週間の典礼は非公開とすることを発表している。

カトリック新潟教会(写真:Thomas akinasu)

5日の受難の主日のミサは非公開で執り行われ、後日、司祭によって祝福された枝を信者は個別に取りに来ることができるとした。

また、9日からの聖なる3日間は、信者が各自の住まいで心を合わせて祈ることができるよう典礼祭儀の時刻を知らせ、家族でも個人でも折ることを助けるための手だてを提供するようにと指示した。特に11日の復活徹夜祭に参加することができない信者は、復活の主日のための「教会の祈り」の「読書」を唱えるように勧めている。

12日の復活の主日のミサも非公開で執り行われるが、洗礼志願者と代父母、小教区を代表する少人数だけが参加して、入信の秘跡(洗礼・堅信・聖体)を授けることができるとした。そして、洗礼式をできる限り分散させて行うため、復活祭のいくつかの主日に分散して行うことも検討するよう求め、通常のミサ以外の時間で個別に洗礼式のミサを行うことも可能とした。

新潟教区が管轄するのは新潟県、山形県、秋田県の3県だが、新潟県で32人、秋田県で9人、山形県で3人の新型コロナ・ウイルスの感染者が確認されている(2日現在)。

2020年受難の主日・聖なる三日間の典礼・復活の主日について」の全文は以下のとおり。

新型コロナ・ウイルス感染症の世界的流行によって、困難な時期を過ごしている教会に向けて、典礼秘跡省は「新型コロナ・ウイルス感染症(Covid-19)の時節に」というタイトルの教令を公布しました。その中で、一般的な指針といくつかの提案が示されています。この教令を受けて、新潟教区での適応をここに提示したいと思います。なお、修道院の聖堂も小教区聖堂と同じ扱いとします。

1 復活祭の日付について

復活祭は典礼暦年全体の中心であり、単なる祝日ではありません。三日間にわたる典礼祭儀である過越の三日間は、四旬節によって準備され、聖霊降臨によって完成されるため、他の時期に移動することはできません。

2 受難主日(枝の主日)のミサ

受難の主日のミサは、実際に可能である限りにおいて、司教座聖堂と小教区聖堂においてささげることができます。ささげられる場合、今年に限り次のことに注意してください。

1)非公開で執り行うことができます。
2)当日、特別な儀式をしなくても司祭は枝を祝福することができます。後日、その枝を信者は個別に取りに来ることができます。
3)非公開でのミサは、「第三形式簡単な入堂」で始めてください。すなわち、入祭唱を唱え、いつものようにミサを始めてください。
4)受難の朗読は、充分な距離を取り、マイクは共用しないでください。

3 聖香油のミサ

聖香油のミサは、すでにお知らせした通り新潟司教座聖堂にて、4月8日(水)10:00から大司教の司式によって非公開で執り行われます。ただし、今後の感染症の拡大状況によって、首都圏と新潟との間の移動が困難となった場合は、日時を延期させていただく場合があります。

4 過越の三日間のための指示

聖なる三日間に関して、以下のことが教令によって指示されています。

A 今年に限り、司教座聖堂と小教区聖堂において、信者の参加がないとしても、主任司祭は過越の三日間の典礼祭儀を祝うことができる。

B 信者には、各自の住まいで心を合わせて祈ることができるよう、典礼祭儀の時刻を知らせておく必要がある。

C 家族でも個人でも折ることを助けるための手だてを提供するよう配慮する。(東京教区では大司教司式の典礼祭儀がインターネットによりライヴ中継されます。)

聖木曜日

主の晩餐の夕べのミサは、実際に可能である限りにおいて、司教座聖堂と小教区聖堂で司祭は共同司式することができます。しかし、この日、すべての司祭はふさわしい場所で、会衆の参加なしにミサをささげることが、今年に限り例外的に認められています。(『ミサ典礼書P.211 1参照)なお、今年に限り次のことに注意してください。

1)非公開で執り行われます。
2)ミサ中の洗足式は省かれます。
3)ミサの結びに行われる聖体安置式(行列)は省かれ、聖体は聖櫃に安置します。ミサをささげることのできない司祭は、この日の「晩の祈り」を唱えてください。

聖金曜日

主の受難の祭儀は、実際に可能である限りにおいて、主任司祭は小教区聖堂で行うことができます。

1)非公開で執り行われます。
2)祭壇の前では、床に伏さず、ひざまずいて祈ってください。
3)受難の朗読は、充分な距離を取り、マイクは共用しないでください。
4)盛式共同祈願の中で、以下の日本カトリック典礼委員会が作成した特別の意向を唱えてください。(中央協議会ウェブサイト参照)

新型コロナ・ウイルス感染症に苦しむ世界のために

助)新型コロナ・ウイルス感染症に苦しむ世界のために祈りましょう。神が苦しむ人々を支え、病への恐れと不安を取り除いてくださいますように。
(しばらく沈黙の後、唱える。)

司)希望のよりどころである神よ、病に苦しむ人に必要な治療を与え、医療に携わる人を感染から守り亡くなった人を永遠のみ国に迎え入れてください。ともにいてくださるあなたに支えられ、不安と混乱に襲われた世界が希望を取り戻すことができますように。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。
以上

5)祭壇の前の適当な場所にふさわしい十字架を顕示します。

6)顕示された十字架の前で、深くお辞儀をして礼拝してください。決して、十字架に触れたり、接吻したりしないでください。

復活徹夜祭

復活徹夜祭は、実際に可能である限りにおいて、司教座聖堂と小教区聖堂においてささげられます。その際、今年に限り、次のことに注意してください。

1)非公開で執り行われます。
2)〈光の祭儀〉では、火の祝福とろうそくの祝福を省きます。
3)復活のろうそくは朗読台のそばの燭台に立てます。
4)聖堂は消灯し、司祭がろうそくに火を灯します。行列は省かれ、復活賛歌を歌います。復活賛歌が終わると聖堂の照明を点けます。
5)続いて〈ことばの典礼〉が行われます。
6)〈洗礼の儀・堅信の儀〉は行わず、〈洗礼の約束の更新〉のみを行います。(『ミサ典礼書』273ページ、58)。
7)〈感謝の典礼〉を続けます。

教会で行われる復活徹夜祭に参加することができない方は、復活の主日のための「教会の祈り」の「読書」を唱えてください。

復活の主日

復活の主日のミサは、実際に可能である限りにおいて、司教座聖堂と小教区聖堂においてささげることができます。その際、今年に限り、次のことに注意してください。

1)非公開で執り行われます。
2)ミサの中で、志願者と代父母、小教区を代表する少人数だけが参加して、入信の秘跡(洗礼・堅信・聖体)を授けることができます。
ただし、次のことに留意してください。

a)連願は短いものにしてください。
例:主よ あわれみたまえ……
キリスト あわれみたまえ……
主よ あわれみたまえ……
神の母 聖マリア……
聖○○(受洗者の洗礼名)……
神のすべての聖人と聖女……
いつくしみ深く……
(以下省略)

b)洗礼の水の祝福はミサの中で行なってください。

洗礼式はできる限り分散させて行うために、復活祭のいくつかの主日に分散して行うこともお考えください。また、通常のミサ以外の時間で、個別に洗礼式のミサを行うことも可能です。

わたしたちはいま、これまでに体験したことのない聖週間と復活祭を迎えようとしています。信徒が折りの場を共有していなくても、わたしたちは共同体とのつながりの中で、典礼を行います。目に見えないウイルスとの戦いは、何が正解なのか、何が効果があるのか、全くわかりません。これらの指針は、少し大げさな対応に感じられるかも知れません。しかし、自分の身を守るためではなく、教会共同体と、社会全体をまもるために、できる限りリスクを回避した対応をするべきであると思います。

苦難に打ち勝ち復活の栄光に達した主の力に、わたしたちをゆだねましょう。一日も早い事態の終息を、いつくしみ深い神である御父に祈りましょう。

 






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