カルヴァン大学学長が電撃辞任「不適切な発言があった」

カルヴァン大学評議員会は2月26日、声明で「ウィーブ・ボーア学長が歓迎されない不適切なコミュニケーションや配慮を行った」ことを明らかにし、同氏が辞任を申し出たことを発表した。

「報告書には、性的に露骨なコミュニケーションや身体的接触があったという申し立ては含まれていなかったものの、申し立てられた行為は懸念すべき不適切なものであった」と管理委員会は声明で述べている。

報告書の通知を受けた直後、ボーア氏は内容の一部を否定したが、カルヴァン大学の学長に求められる高水準の職業倫理にそぐわない不適切な文言を送信したことは事実であると認め、辞任を申し出たことを受け、理事会はこれを受理した。

これに伴いカルヴァン大学ではグレゴリー・エルツィンガ副学長が臨時学長に任命された。理事会の声明によるとエルツィンガ副学長は、すでに日々の学校運営に携わっており、「理事会が次期正学長を徹底的に探す間、有益なリーダーシップを継続的にもたらすことに適した立場にある 」と説明されている。学校側は29日、学生向けに説明会を開催する予定。

ボーア氏が学長に就任した2022年、同校は北米キリスト改革派教会からセクシュアリティを含む規則の遵守を求められていたが、同年秋のインタビューで同氏は「カルヴァン大学はLGBTQであることを自認する学生を今後ももてなし続けると同時に、すべての人を歓迎しない大学の学長にはなりたくない」とコメント。現在でもカルヴァン大学ではLGBTQの当事者を公言する学生の進学を認めている(北米キリスト改革派教会は声明で「同性愛主義――すなわち、明白な同性愛の実践――は、聖書に啓示されている神のみ心への従順とは相容れないものである」と発表している)。

辞任する6日前、ボーア氏はSNS上で「私はこの尊敬すべき教育機関のリーダーとして、1世紀以上にわたってカルヴァン大学を定義してきた卓越する学問の伝統を引き継いだことを深く光栄に思う」とコメントするなど、精力的に活動していた。

管理委員会は、ボーア氏の辞任発表の中で「差別、ハラスメント、報復のない環境を提供する責任を非常に重く受け止め、不祥事の申し立てに迅速かつ徹底的に対処する努力を続ける」とした上で、「現在も、そしてこれからも、神の支えとなる恵みの中で、聖霊が私たち全員を慰めてくださることを信じつつ、カルヴァン・コミュニティ全体のために祈ってくださるようお願いします 」と記している。

ボーア氏の行為や苦情についての詳細は明らかにされていない。

ボーア氏はカルヴァン大学、イェール大学大学院出身(専門は歴史学)。父親は改革派教会の宣教師。2022年、カルヴァン大学の学長に就任したほか、ナイジェリアにおいて商用エネルギー製品の開発を展開する「All On」の最高経営責任者も務めている。

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