世界難民の日 ワールド・ビジョン・ジャパンがサポーター1000人募集 紛争下の子どもたちに未来を 月額1000円から継続的な支援

2月のウクライナ危機発生直後から、ルーマニアを拠点に活動を開始したワールド・ビジョン・ジャパン(木内真理子事務局長)は、ルーマニアのほか、モルドバ、ジョージア、ウクライナ国内で、緊急物資の配布や子どもの保護などの活動を実施している。「3~5月の間に29万人の子どもとその家族に必要な支援を届ける」ことを目標に掲げ、5月7日までに子ども3万9748人を含む9万5777人に支援を届けてきた。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、ウクライナ国内にとどまり避難生活を送る国内避難民の数は700万人以上にのぼり、国境を越え避難した難民は460万人。支援を必要としている1200万人のうち430万人は子ども。ウクライナの子どもたちの2人に1人以上が国内外で避難生活を送っていることになる。これは第二次世界大戦後、最も深刻な速さと規模。

家から避難することを余儀なくされた子どもたち。特に保護者がいない子どもたちは搾取や暴力の標的にされやすく、緊急に支援を必要としている。

世界中の紛争地と同様、ウクライナでも、子どもや家族への心理的影響が増大しているため、今後はウクライナから逃れてきた子どもたちの心のケアが必要となる。

ワールド・ビジョン・ジャパンでは6月20日の「世界難民の日」にあわせ、ともに紛争下の子どもたちを支援するためのプロジェクト・サポーターを募集している(https://bit.ly/3GlSBFd)。月額1000円からのプロジェクトに5月末時点で325人が参加。6月末までに1000人を目標としている。

「世界難民の日」は従来、OAU(アフリカ統一機構)難民条約の発効を記念する「アフリカ難民の日」だった6月20日を、難民の保護と支援に対する世界的な関心を高める日にしようと、2000年に制定されたもの。国内でもさまざまな啓発活動が取り組まれてきた。

ワールド・ビジョン・ジャパンで長年、難民支援に携わってきた支援事業部緊急人道支援課課長の伊藤真理さんに、支援活動の実態について話を聞いた。

ルーマニアで設置された子どものためのフレンドリー・スペース

〝難民はウクライナ以外にも〟
子どもたちが命落とす看過できない悲劇

今回、募集しているプロジェクト・サポーターは、個別の子どもを支援する従来のチャイルド・スポンサーシップ(月額4500円)とは異なり、より低額でもウクライナ、シリア、南スーダンなど、紛争下にいる子どもたちの命を守り、回復を支え、未来を築くための継続的な支援を可能にするプログラム。

以前から、「世界難民の日」に向けたキャンペーンを想定していたが、ウクライナ危機を受けて難民支援への関心が高まる中、開始時期を前倒して呼び掛けを始めた。すでに、社を挙げての協力を申し出ている企業もあるという。

2003年からワールド・ビジョン・ジャパンに勤務し、リベリア、スーダン、南スーダンで約7年間の駐在経験をもつ伊藤さん。難民支援についてはこれまで、年々ニーズが高まる一方、なかなか理解が得られないというジレンマを抱えてきた。国内でも遅々として受け入れが進まない中、ウクライナ危機を経て政治もメディアもにわかに動き出した。

これまでとの違いについて伊藤さんは、「近年の紛争は内戦が主だったが、今回は国家間の紛争。アフリカではなくヨーロッパで起きたこと、SNSの普及で現地の情報が大量に発信されていることも大きい。事実として、国民の3分の1が強制的に避難しなければならないという規模の大きさは決定的な違い」と話す。

直後から幾晩も寝られず、泣きながら祈る日々を経験したという。「声なき子どもたちの声を拾っていくのが私たちの役割。最も弱い立場にある子どもたちが、戦場で命を落とさなければならないという悲劇が、この21世紀にあり得るのか。人として看過できない事態」と声をつまらせた。

マーケティング部新規ファンドレイジング課として、寄付を募るため奔走する桑原武さんも、支援が必要な事業と、寄付が集まりやすい事業が異なることに忸怩たる思いを抱いてきた。「国内の関心が今までと違うことを実感している。ウクライナ危機を契機としつつ、シリアや南スーダン、アフガニスタンの難民支援にも目を向けてほしい」

ワールド・ビジョン・ジャパン親善大使で女優の酒井美紀さんは、「ウクライナでの状況を報道で目にするたびに、今この瞬間も、恐怖や不安の中を生きている子どもたち、人々がいることに心が締め付けられるような気持ちになります」「故郷の自宅に配偶者や両親を残し、子どもたちを自分一人で連れて隣国に避難しているお母さんのインタビュー動画を見た時、『自分が同じ立場だったら……』と想像せずにいられませんでした。子どもを守らなければという気持ちと、不安に押しつぶされそうな気持ちで、強い緊張を強いられていることと思います。そのような状況にある子どもたち、お母さんたちのために、日本にいる私たちにも『できることがある』。そう信じて、一緒にアクションを起こしていきませんか?」とのコメントを寄せている。

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、支援の輪を広げるための催しも計画している。6月8日午後7時からは、東京都新宿区のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で、ウクライナ出身オペラ歌手のオクサーナ・ステパニュックさんを招いたウクライナ支援特別コンサート「平和への希望 歌声とともに」を開催(玉の肌石鹸株式会社協力)。当日は現在、日本で避難生活を送るマリア・ホミャークさんも招き、2人の祖国への思いを聞く。参加費無料。申し込みは特設サイト(https://bit.ly/3lIuFlA)から。YouTube での オンライン同時配信も予定。

 

 6月16日午後7時からは、ワールド・ビジョンが実施する紛争下の難民・避難民支援の最前線について、伊藤さんと事務局長の木内真理子さんが対談形式で報告する。過酷な状況下で「人々の尊厳を守り、明日に希望を見出せるようにどのような活動を進めているか」を伝えるとしている。参加費無料、定員500人。申し込みは特設サイト(https://bit.ly/3z7mOWC)から。手続き完了後、ZoomウェビナーのURLがメールで案内される。問い合わせは支援者窓口(Tel 03・5334・5351)まで。

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