キリスト教史学会で小原克博氏が講演 「ポストコロナ」生きる神学的問い

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日本キリスト教史学会(小檜山ルイ理事長)は9月10、11日の両日、第72回大会をオンラインで開催した。初日のシンポジウム「近代都市形成期のキリスト教と社会事業:黎明期の苦悩」では、馬渕彰(日本大学教授)、平松英人(東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センター助教)、木原活信(同志社大学教授)、大岡聡(日本大学教授)、永岡正己(日本福祉大学名誉教授)の各氏がパネリストとして登壇。猪刈由紀氏(上智大学講師)がコメンテーターを務めた。

2日目は、小原克博氏(同志社大学教授)が「パンデミックとキリスト教」と題して公開講演。天災や疫病の理由を神罰などの外因的なものに求めてきた歴史、因果論を否定した新約聖書の教えを踏まえた上で、宗教か科学かという二元論に陥ることなく、科学的知見と信仰的な地平の調和を探る必要性を説いた。

また、カミュの『ペスト』やボンヘッファー、N・T・ライトを対比しながら、「神がいるとすれば」という前提に立って不条理を説明した伝統的な神義論に対し、たとえ「神なし」でも誠実な行動へと向かわせる実践の神学的な意義を強調。たとえコロナ禍が収束しても、次なるパンデミックまでの「中間の時代」、地球規模の危機を生きる終末論的な課題として、「極限状況の中で、いかに冷静に世界を認識し、次の時代につなぐことのできる、新しい物語を紡ぎ出すことができるか」「AIによる『最適化』が進む中で、それに抗うことのできる知的基盤をいかに示すことができるか」などを挙げた。

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