キリストが話した言語が残る村 いまだ戻らぬ巡礼者たちへの思い

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イエス・キリストが話していたとされるアラム語を現在も使う村が、シリアの首都ダマスカス北方のマアルーラだ。マアルーラは、キリスト教徒の定住地としては世界最古の一つ。2011年にシリアで内戦が勃発するまでは、年間数千人が、山間部のけわしい崖に囲まれた村の教会や修道院を訪れ、住民たちが話す言葉に耳を傾けていた。AFP通信によると、ジミー・カーター元米大統領や、ベネズエラの故ウゴ・チャベス大統領もここを訪問している。

マアルーラは13年秋に反体制派と国際テロ組織アルカイダ系のイスラム過激派の手に落ちた。キリスト教徒の住民の大半が村を離れざるを得なくなった。聖タクラ修道院では、修道女13人が当時のアルカイダ系の戦闘員に誘拐され、その後、シリア政府側が収容していた受刑者との交換によって、14年3月に解放された。

それから数年が経過したが、主にギリシャ正教徒が占める約6000人の住民も、外部からの訪問者も、戻って来ていない。

巡礼者たちを再び迎え入れようと、渓谷の底を走る狭い道では、8月15日の「聖母の被昇天」に向け、夏の暑さの中でボランティアの男性が働いている。落書きをぬれた布で消していたヤヒヤさん(29)は額に汗をにじませて、「昔よりきれいにする」と話していた。(CJC)

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